GALO

GALO/かきざき和美/全3巻


ガンガンファンタジー創刊号から連載されていた作品。



・内容
山で木こりとして暮らす大男のガロ。
ある日の夜、流れ星を見ながら昔のことを思い出すのでした。

とある村に来ていたガロは、そこで剣士たちに吠えかかった犬が踏み潰されたのを目撃。
怒ったガロは手に持っていた斧で剣士の一人を倒すと、剣士たちのリーダーである重剣士ドグーが登場。
ドグーは「ザンガ」という巨大な剣を持っており、ガロの斧は簡単に粉砕されて敗北してしまいます。
「己の分をわきまえて山へ帰って木こりとして暮らせ」と言われ、命だけは助けてもらうのでした。

その時のことを思い出し、悔しくて大声で叫ぶガロ。
すると大量の流れ星が降り注ぎ、落ちたと思われる場所が光を放っています。
何日もかけてその場所へたどり着いたガロは、そこで隕石を発見。
再び何日もかけて自分の家へ持ち帰り、膨大な時間をかけてその隕石から1本の巨大な斧を作り出すのでした。

村へやってきたガロは、ケンという少年と出会います。
剣士を探していることを伝えると、ケンは剣士が集まるという怪しいお店へと案内してくれます。
店の中でガロは客と喧嘩をしてしまいますが、そこにあのドグーが登場したのでした。

ドグーはガロの持つ巨大な斧の名前を聞きますが、ガロは「名前はない。お前つける」と言います。
そして始まるガロとドグーの勝負。
ガロの斧とドグーのザンガは正面からぶつかり合いますが、勝ったのはガロの斧。
ザンガを粉砕し、その勢いのままドグーの体を上半身と下半身の真っ二つに切断します。
まだ意識があるドグーはガロの斧に「ガズン」と名前を付け、「巨刃皇帝に会え」と言って死んでいくのでした。

目的は果たしたため、山へ帰るガロ。そしてそれを追ってくるケン。
ケンはガロを剣士志願だと思っているため、なぜ巨刃皇帝のところへ行って重剣士に志願しないのかと聞きます。
ガロは「喧嘩をしに来ただけ」と言い、さらに巨刃皇帝のことも知りませんでした。
呆れたケンはガロに巨刃皇帝のことを教えます。

巨人ガイガン族の末裔である炎魔王ブロンテという一つ目の巨人がおり、
パンゲアの北にあるキュクロプス火山の火口に居城を構え、人間やドワーフを人質にして武器を生産していると。
その武器は物凄く硬い金属で出来ていて、人類の今の技術では造ることができないのだそうです。
ブロンテはその武器を使ってパンゲアを炎の大陸にしようとしており、
そこでは全ての生物はブロンテの庇護なしでは生きていけなくなると。
生きるためにはブロンテに無条件で隷属しなくてはいけない、恐ろしい世界になる…ということです。

そこで立ち上がったのが巨刃皇帝。
ブロンテの野望を阻止するため、物凄い努力をして人間と精霊の連合軍を組織した人類の英雄です。
ケンはこのパンゲア大陸に住む人類と多くの生物を救うため、
巨刃皇帝に会って重剣士の称号を賜り、ブロンテと戦おうとガロに言います。
これに感銘を受けたガロは、巨刃皇帝と一緒にブロンテと戦うことを決めるのでした。

実はケンの目的は、剣士になること。
重剣士になることが確実なガロに着いていけば、子分である自分も自動的に剣士になれると。
そこでガロを利用するため、綺麗事を並び立てて何が何でも巨刃皇帝に会いに行くように仕向けたのでした。

その日の夜、ケンは1匹のニンフ(妖精)を見つけます。
その妖精は他の妖精に追われており、殺し合いをしています。
妖精同士が殺し合いをするのは非常に珍しいことで、隠れつつその様子を探るケン。
女妖精はブルフェアリーという毒を持つバトルニンフで、追手の妖精を皆殺しにするのでした。

隠れていたケンに気付いたブルフェアリーは、逃げようとするケンの前に立ち塞がります。
追手の数が増えてきて面倒になっていたブルフェアリーは、ケンを利用することを思いついたのです。
ブルフェアリーというのは人間に懐かないことで知られているため、
まさか一緒にいるとは思わないだろうということで、ケンを脅して一緒にいることにしたのでした。

ブルフェアリーの名前はヨニ。見た目はとても美人ですが、口がとても悪く、乱暴な男言葉を使います。
ガロの所へ案内されたヨニは、巨刃皇帝に会いに行くというのを知ってラッキーと思うのでした。

旅の末、巨刃皇帝のいる帝都サダクビアへたどり着いたガロたち。
巨刃皇帝はガロを大層気に入り、二人は友達になります。

巨刃皇帝が武器を生産している炉へ案内すると、ヨニが巨刃皇帝に「南の森はどうした」と聞きます。
そこはかつてヨニの故郷だったのですが、巨刃皇帝によって潰されてしまったのです。
巨刃皇帝は「半分はサダクビア、残りの半分はブロンテと戦う武器を作るための燃料として利用した」と答えます。
ヨニの悲しみは理解できるが、ブロンテを倒さないことには人類も妖精類も未来はないため、
妖精王とも十分話し合ってお互いに理解をしたうえだと。

納得がいかないヨニは巨刃皇帝へ襲いかかっていきますが、あっさり撃退されます。
ヨニがブルフェアリーであることに気付いた巨刃皇帝は、北の森から回状が来ていたのを思い出します。
「妖精王を襲ったバトルニンフがいるので、見つけたら逮捕してほしい」と。
妖精王は南の森を巨刃皇帝に明け渡し、仲間を売ったやつなのでヨニにとっては絶対に許せない存在だったのです。

ヨニは捕まってしまい、残ったガロとケンは巨刃皇帝の理想を聞かされます。
南の森を潰したのは人類のため、子供たちの明るい未来のためだと。
平和で豊かな国であるサダクビアには次々と人が集まってきているのだそうです。
人が増えれば子供が多く産まれ、都市はさらに大きくなり、畑を耕さなければいけない。それには燃料が必要だと。
ブロンテとの戦いにも勝利しなければいけないため、武器もいる。
南の森が失われたのは残念だが、これも全ては子供たちのためだと。

ガロは「巨刃皇帝の言っていることは正しい」と言いますが、心の中では納得してはおらず、
その後に「でもお前に言われたくない」と吐き捨てるのでした。
その時でした。ドグーの弟バグーが現れ、兄の敵を取ろうとガロに襲いかかってきます。
戦いは熾烈なものとなり、お城はどんどん崩壊。

見かねた巨刃皇帝が止めに入りますが、それでも戦いを止めようとしないバグー。
バグーは以前巨刃皇帝に暴言を吐いてサダクビアを追放された過去があり、今回も暴言を吐きます。
普段は温厚で敬語しか使わない巨刃皇帝ですが、これにはついにキレてしまい、本性を出します。
圧倒的な力でバグーを一瞬で倒し、ガロに対しても「私を見下した者は絶対に許さない」と言うのでした。

サダクビアに一人の女がやってきます。
巨大な鎌を持ち、黒いローブで身を包んだその女は「死神の未亡人」と呼ばれているのでした。

ケンは子供だということで丁重に扱われ、豪華な食事と衣装、そして個室も巨刃皇帝から与えられています。
さらに幹部候補生として、近衛府にすることも約束されます。
剣士になるためにガロに着いてきたケンにとってはこれ以上ない最高の提示なはずですが、
ケンは「ヨニに会わせてほしい」と巨刃皇帝にお願いをするのでした。

怪我をしているヨニを見て「手当をしてやってほしい」とお願いするケンですが、ヨニはそれを拒否します。
さらにはケンを罵倒し、ケンがガロを利用したように自分もケンを利用しただけだと断言。
これにキレたケンはヨニを「クソ妖精」と罵り、怒って出て行きます。
その背中にヨニは「お前スッゲーダサイぜ」と声をかけるのでした。

巨刃皇帝を訪ねてくる死神の未亡人。名前はレアといい、巨刃皇帝の従姉妹です。
強い男の匂いを敏感に嗅ぎつける嗅覚の持ち主であり、ガロに会わせてほしいと言ってくるのでした。
捕まっているガロの所へやってきたレアは一目でガロを気に入り、妻として娶ってほしいとお願いします。
そしてガロはこれを受け入れるのでした。

部屋に戻ってきたケンは、ヨニに言われた「お前スッゲーダサイぜ」という言葉が頭から離れません。
出世して良い暮らしがしたいと思うことの何がダサイのか…と思いますが、
鏡の前に行って綺麗な衣装のまま礼儀作法をやってみます。
その姿を見たケンは「ダッセー」と言い、今の暮らしを捨てることを選択するのでした。

部屋の外には見張りが大量にいるため、脱走は不可能。
そこで窓から脱走することを選択します。
しかしケンの部屋は最上階であり、地上までは気が遠くなるほどの距離があります。当然落ちたら即死。
それでもケンは壁伝いに少しずつ降りていくのでした。

途中何度もアクシデントがあって死にかかるも、やがて足場のある場所へと到着したケン。
窓があったのでそこから部屋の中を覗いてみると、カーテンに仕切られたベッドの上で誰かがSEXをしています。
興味津々なケンが「カーテン開けろ」と思っていると、部屋に誰かが訪ねてきます。
ベッドから出てきた少年がそれに対応しますが、その人物の姿を見て腰を抜かしてしまうのでした。
それを見たもう1人がベッドから出てきます。その正体は…巨刃皇帝。

巨刃皇帝を訪ねてきたのはレア。
ケンは巨刃皇帝が男(少年)とSEXしていたという事実に驚きますが、レアの言葉にはもっと驚きます。
それはガロの妻になるというもの。

レアはあることを試したいとお願いしますが、巨刃皇帝はそれを断ります。
少年の頼みなら巨刃皇帝も断れまいと思ったレアは少年に詰め寄り、説得するように圧力をかけるのでした。
これに耐えられなくなった少年は、ケンが覗いている窓へ走っていって飛び込みます。
ガラスを突き破り、地上へと真っ逆さま。長い滞空時間の後、地上からは「グシャ」という音が聞こえてくるのでした。

ガラス瓶の中に閉じ込められているヨニ。見張りとして2人の兵士が付けられています。
兵士たちに脅されてストリップを強要されたヨニは、歌を歌いながらそれに従って全裸になります。
すると兵士たちに異変が。ブルフェアリーの歌声は人間にとって麻薬と同じ効果があるのです。
兵士たちが動けなくなっている間にヨニは内部から体当たりをしてビンを転がし、
テーブルの上から地面に落として割って脱出に成功します。
ストリップのギャラとして毒で殺していくのを忘れずに…。

覗いていたことが巨刃皇帝とレアにバレることはなく、なんとか地上まで降り立ったケン。
食料を探して彷徨っていると、巨刃皇帝に捕まっているバグーが張り付けにされているのを目撃します。
ケンは自分に力を貸してほしいと言い、バグーを助けるのでした。

翌日、ケン、ヨニ、バグーが脱走したという報告を受ける巨刃皇帝。
まさかガロも?と心配になった巨刃皇帝は、自らガロを捕らえている牢屋へ向かいます。
ガロはそこにおり、丁寧な対応で巨刃皇帝に挨拶。
昨夜はよく眠れたかと巨刃皇帝は聞きますが、ガロは悲しい声、おびえる声がしてよく眠れなかったと返します。
夕べは風が強かったのでそれがそう聞こえたのだろうと巨刃皇帝は言いますが、ガロは「風じゃない」と。

まともに取り合ってくれない巨刃皇帝に、ついにガロの怒りが爆発。巨刃皇帝をぶん殴ります。
聞こえたのは風ではなく森の声であり、おびえてるのは樹たちだと。
巨刃皇帝はそのことなら昨日話したと言い、今まで温厚な態度を取っていましたが殴られたことでこちらも爆発。
森や樹木だどうのはただの言いがかりに過ぎず、単に自分を嫌っているから喧嘩を売るための方言だろうと。
ガロが望むなら今ここで決着を付けてやると言いますが、そこをレアが止めに入ってその場は収まるのでした。

「試剣」というものがあります。
これは打ち上がった新剣を試すために行われるセレモニーで、多くの場合は巨刃皇帝が居城内で行うため、
一般の人々の目に触れることはありません、
ですが数年に一度、帝国全土から腕自慢の強者を募って勝ち抜き戦をする公開「試剣」が行われます。
優勝者を相手に皇帝が新剣を試すというもの。
帝都サダクビア最大のお祭りであり、巨大コロシアムが満員になるほどの人気。

この公開「試剣」の開催が決まり、それを知ったケンはバグーに皇帝が負けたらどうするのか聞きます。
バグーによるとこれは茶番であり、巨刃皇帝は絶対負けないようになっているらしいのですが…。

ガロは皇帝を殴ってレアに止められた後、巨刃皇帝と戦いたいと言いましたが
巨刃皇帝には「ならば試剣を勝ち抜きなさい」と言われます。
優勝すれば嫌でも自分と戦うことになるからと。

そしていよいよ始まる「試剣」。
試合はどんどん進んでいき、ガロの出番に。
ガロはガズンで対戦相手をドグーと戦った時のように上半身と下半身の真っ二つに切断し、
ガズンを振るった時の衝撃で上半身を遙か頭上の席で見ていた巨刃皇帝の目の前まで飛ばし、宣戦布告をするのでした。

レアも「試剣」に参加していて、出番がやってきます。
バグーによると、レアはとにかく強い野郎が好きで、その野郎と刺し違えて死にたいという悪趣味な女だとか。
そしてレアに指名されたガロは戦うことに。

最初の一撃で左腕を跳ね飛ばされたレアですが、その後は優位に進めていきます。
その試合に巨刃皇帝を含む全員が夢中になっている間に、
バグーは今回の「試剣」で使われる予定の新剣を奪いにいくのでした。

ガズンの力は強力であり、次々と足場が崩壊。ガロは動きを制限されて墓穴を掘る形に追い込まれていきます。
そして右上に突き立てられたレアの鎌。
そのまま腕を切断しようとしますが、ガロは筋肉でそれを止めて鎌ごとレアを持ち上げ、高い所から叩き落とします。
誰もが死んだ…と思っていましたが、まだ息のあったレアは最後に、
「なんという快感…これがイクということね。イクッ」と言って死んでいくのでした。

レアが死ぬと崩壊した床が次々と空中へ浮かび上がり、コロシアム全体へと降り注いでいきます。
強力な力を持つガロと巨刃皇帝はそれを破壊して難を逃れますが、
力を持たない観客は押し潰され、コロシアムはあっという間に惨事に。

巨刃皇帝がガロの所へ行くと、ガロは死んでいるレアの顔を巨刃皇帝に見せ、「安らかな顔だ」と言います。
レアは「凶運の王女」と呼ばれており、その超常の力ゆえ忌み嫌われてきました。
しかしそれは人が自ら持つ凶運がレアの力によって発言されてしまうというだけで、
レア自身が望んで厄災を人に及ぼすということはなかったのです。
それを知っていた巨刃皇帝はブチ切れ、ガロを叩きのめしていきます。

「試剣」の間中、ずっとチャンスを伺っていたヨニが巨刃皇帝に飛びかかっていきますが、
気配に気付いた巨刃皇帝は一撃でヨニを撃退します。
すると今度は新剣を持ったバグーが登場。
バグーによると、巨刃皇帝は「試剣」優勝者に皇帝賜杯の怪しい酒を飲ませ、洗脳していたのだそうです。
この酒を飲むと巨刃皇帝が神様のように神々しく感じられるようになると。
これは前回の「試剣」優勝者であるドグーが語っていたことであり、「試剣」が茶番であることの証明というわけです。

巨刃皇帝は素手のため、さすがにこれには勝てないと後退り。するとガロのガズンにぶつかります。
「仮に試験が茶番だとしても、私の実力がないということにはならない」と言い、
巨刃皇帝はガズンを持ってバグーに襲いかかります。
一撃で新剣を粉砕した巨刃皇帝ですが、新型炉で打ち上げた最強の新剣のモロさにガッカリ。
そして「もっと高温が必要だ。さらに大きな炉に大量の燃料がいる。足りない燃料は森を潰して手に入れる…」と。

巨刃皇帝にやられて倒れていたガロですが、これを聞いて怒りが爆発します。
起き上がったガロの凄まじい気迫に巨刃皇帝は持っていたガズンを落としてしまい、
それを拾ったガロは巨刃皇帝に向かってガズンを振り下ろします。
これに「やめろっ!ウソだ!木は切らない!約束する!」と命乞いをする巨刃皇帝。
振り下ろされたガズンは巨刃皇帝の顔のすぐ横に叩きつけられ、ガロは「ガロ勝った。皇帝約束守れ」と言います。
顔面蒼白の巨刃皇帝は何度も首を縦に振り、ガロと巨刃皇帝の戦いは終わりを告げたのでした。

エピローグ。
ケン、ヨニと一緒に山へ戻ってきたガロ。
皇帝が約束を守るか心配するケンに、ヨニは「人類が約束を守るわけがない」と言います。
ガロは「人間が木を切るのはしょうがない。ガロも木を切るのが仕事」と言って割り切ります。
そして同時に、木を植えるのも自分の仕事だと。

キュクロプス火山が噴火しているのを見たガロたち。
ケンが「炎魔王ブロンテが活動したんだ」と言いますが、ヨニはブロンテは本当に存在するのかを疑問に思っています。
あれは巨刃皇帝の作り話で、絶対悪である炎魔王ブロンテという架空の敵を作り出すことで民をまとめていたのではないかと。
ケンも巨刃皇帝ならやりかねないと思いますが、ガロは「分からないなら確かめたらいい」と言います。
そして本当にブロンテがいたら自分たちで倒せばいいと。

そこに現れる1人の男。それはバグーでした。
バグーは「俺様がいれば百人力よ!」と言いますが、ケンは「おっさん、この話の中で一度も勝ってねえぞ」と茶化します。
「馬鹿野郎!これから大活躍するんでい!」とバグーが言い、ガロ、ケン、ヨニ、バグーの4人は笑い合うのでした。



・感想
ちょっと長くなりすぎた…。もう少し削ってまとめるべきだった。

これね、凄い作品ですよ。
劇画調の絵柄という時点でもインパクトがあるのに、内容はもっとぶっ飛んでいる。
巨刃皇帝が出てきてからの展開は凄いですわ。

巨刃皇帝というのは人類の英雄であって、国民からも絶大な人気と信頼を得ているわけですよ。
それが見た目は角刈り、さわやかイケメン、マッチョで常に上半身裸。
そして何よりも衝撃的なのが、ホモでショタコンだということ。
少年が好きで部屋に呼んではお盛んに励んでいると…。

このあまりにも強烈なインパクトゆえ、巨刃皇帝は他作品でネタとして使われることもあった。
以前取り上げた松沢夏樹先生の「勇者はツライよ」という作品、それに渡辺道明先生の「ハーメルンのバイオリン弾き」。
前者は同じガンガンファンタジーだから元ネタが分かった人もそれなりにいるとは思うけれど、
「ハーメルンのバイオリン弾き」の方はほとんどの読者が巨刃皇帝を知らなかっただろうなぁ。

巨刃皇帝以外もヤバいネタが多い。センズリだのイクだのそういう言葉が普通に出てくる。
ヨニのストリップシーンなんかもかなり刺激的。
今の時代だと青年誌じゃないと載せられんと思う。当時は規制が緩くて面白かったなぁ…。

2巻の作者コメントに、
「巨刃皇帝は本屋でその手の雑誌の表紙(表紙だってば!)を見ていた時にひらめきました」と書いてあったり。
表紙だけと強調しているのが逆に怪しいと思えてしまう。

3巻の作者コメントによると、今回の話はプロローグに過ぎず、ガロの長大な冒険のさわりでしかないとか。
近い将来きっと続きを披露することになると書いてあるけど、
自分の知る限りだと続編が出たような話は一切聞いていない。

とにかく、これは巨刃皇帝のためだけにでも読む価値がある作品だと思っている。
エニックス系でホモネタといえば「電撃ドクターモアイくん」が有名だけれど、
あっちは完全にギャグ漫画として昇華されているのに対し、こっちは完全なシリアス物なので生々しさがある。
「試剣」で巨刃皇帝の周囲に少年の近衛隊がいるのを見て、バグーがケンに「お前が利口ならあそこにいたのに」と言う。
それに対して「ケツの穴を糞ひり出す以外に使う気はねェよ」と答えるあたりとかネタとして危なすぎるよなぁ。
[ 2012/10/31 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(-)

何年経ってもマイスタLunaの難しさは異常

すっごい久しぶりに紅魔郷をプレイ。リプレイの日付で見ると2年半ぶり?

当たり判定が全く掴めなくて、最初のうちはコンティニュー使い切ってようやくクリアするという体たらく。
まぁLunaをノーボムでやってたというせいもあるけれど…。
少しずつ感覚を掴んできて結果も良くなっていき、残1、スペカ22/26でLunaをノーボムクリア。機体は霊符。
紅魔郷のLunaノーボムで残機が残せたのはたぶん初めてじゃないかなぁ。
とにかく久しぶりなので覚えていない。SSも撮ったと思ったら撮れてなかったりだし。

一応リプレイ
東方のプレイ感覚も少しずつ戻していこうかね。
Tags : 紅魔郷
[ 2012/10/30 ] 紅魔郷 | TB(0) | CM(0)

東京鬼攻兵団TOGS

東京鬼攻兵団TOGS/斎藤カズサ/全6巻


ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
100年以上前。
地球上の生物全てを絶滅させるほどの威力を持った細菌兵器が発射され、瞬く間に地球上は汚染されます。
地上はこれ以前から環境悪化が深刻化していて、大多数の人類は開発中のシェルター都市へ移り住んでいたため、
犠牲者は最小限に抑えられたのでした。
しかしそれ以来、地上は人間が足を踏み入れることができない荒廃した土地に。

主人公は柏葉徹という14歳の少年。平凡な学生生活を送っています。
幼馴染で中等部一の美少女と言われている河合由美と一緒に下校をしていると、
突然人間が化物に変身して人殺しを繰り返す現場に遭遇。
そこに「TOGS(Tokyo Offence Guard System)」という秘密組織の2人組が現れ、化物を倒します。
一件落着…と思いきや実は化物は生きており、徹と由美を襲ってきます。
TOGSの2人組も気付きますが、間に合わず絶体絶命。するとその瞬間、徹は謎の力を発揮して化物を倒すのでした。

TOGSに家まで送ってもらい、また元の日常へ戻る徹と由美。
いつものように学校へ通うと、何やら騒がしい事態になっています。
高等部に2人の美女が転校してきたらしいのですが、それはあのTOGSの2人なのでした。
名前は太門綾佳(たもんあやか)と、倉敷望(くらしきのぞみ)。

綾佳たちの目的は、徹をTOGSへ勧誘すること。
TOGSでは化物をヴァイラスと呼んでいますが、正式名称はMMMV菌感染者。
MMMVというウイルスに感染した病人だということです。
100年以上前に細菌兵器として地球上にばら撒かれたのもこのウイルス。
ワクチンはまだ開発されておらず、一度感染したら元に戻す方法はなく、化物として殺戮を繰り返すのみ。

MMMV菌は傷口や粘膜接触で感染し、感染率100%という脅威のウイルスです。
ヴァイラスに傷を負わされたが最後、命は助かっても確実にMMMV菌に感染してしまうため、
被害は広がっていくばかり。
しかし100万人に1人の割合でMMMV菌に感染しない抗体を持っている「抗体者」がいることが分かり、
その抗体者のみで組織されたのが「TOGS」というわけです。

ヴァイラスと戦った後に徹と由美は感染していないかの検査を受け、徹が抗体者でないということが判明。
そこでスカウトをしに来たというわけです。
徹は拒否しますが、綾佳と望はストーカーのように追い回し続けるのでした。

由美の体調がおかしくなり、早退することに。徹も付き添いで一緒に下校していると、綾佳と望が出現。
相変わらずしつこく勧誘してくる2人ですが、その背後で由美が倒れてしまいます。
症状を見た2人は急いでTOGSの研究所へ由美を運び込むと、MMMV菌に感染していることが判明。
元に戻す方法がない以上、現在感染者に対して取れる唯一の対策はコールドスリープ。
治療法が発見される後世まで生命活動を一切停止させることで、発病もしないと。

2人に案内され、由美の元へ連れていかれる徹。
不安がる由美に「必ず俺が起こしに来る」と約束をし、眠りにつくその時まで近くにいてあげるのでした。
そして徹は決断します。
これ以上由美のようなMMMV菌感染者を出さないため、そして自分のように悲しむ人を出さないため、
TOGSへ入隊すると…。

TOGSではメンバーにナンバーが付けられています。望は03で綾佳は06。そして徹には与えられたのは09。
もう1人、04のナンバーを与えられた和泉沢和子(いずみさわこ)という女性もいます。
訓練を重ねてやがて実戦にも出ることになり、少しずつ場数を重ねて成長していく徹。
しかし相手のヴァイラスも今までとは違って強力になっていきます。
自我もないはずですが、ちゃんと考えて行動をしている様子も。

TOGSの1人である、ナンバー05の結城遙(ゆうきはるか)。
彼は世界最大のシェルター都市であるオーストラリアのアデレードへ出向しており、
徹たちは隊長の命令でアデレードへ。

アデレードで徹はバルマーという博士を目撃。
ミューペットという、バイオテクノロジーを用いて既存の動物同士を組み合わせて造られた新種のペットがいます。
人間のMMMV菌感染者はヴァイラスですが、ミューペットを感染させることでより強力なものを生み出したと。
それがネオ・ヴァイラス。徹たちが戦ってきた知能を持っている強力なヴァイラスはこのネオだったのです。
ヴァイラスは自然発生ではなく、人為的に感染させられたものだということも明らかになります。

バルマーはどこかの組織に属しているらしく、人為的に感染者を発生させた目的も分かります。
それはMMMV菌のワクチンを作り出すことなのだそうです。
人道的な問題からこれまでは人間を実験材料にすることが禁じられていましたが、
一向にMMMV菌に治療法は確立されないため、バルマーの組織では人間を使うことにしたのでした。
そして徹たちのいる東京Cityへヴァイラスを送り込み、感染者を増やし、その人間たちを連れ去って実験すると。

東京へ戻ってきた徹は緋影晶(ひかげしょう)という少年に出会います。
TOGSしか知らないはずの機密情報を知っており、隊長とも知り合いであるということから、
徹は晶をTOGSの一員だと思って会話をします。
途中でTOGS本部が襲われたという情報が入り、戻る徹。
そこでネオ・ヴァイラスに襲われますが、晶が助けてくれるのでした。

沢和子から本部にはネオ・ヴァイラスが入り込み、
コールドスリープされた人たちがいる場所を目指しているという情報を聞いた徹。
急いでその場所へたどり着くと、そこで望と合流します。
徹と一緒にいる晶を不審に思った望が徹に質問をすると、TOGSの一員だということ。
しかしTOGSには徹、望、綾佳、沢和子以外に子供のメンバーはいないため、敵だと確信します。

晶の正体はバルマーと同じ組織の人間で、コールドスリープされた感染者を奪って組織へ持っていくこと。
どこにいるかは分からなかったため、徹に近づいて仲間として振る舞うことで利用。
まんまと騙された徹は罠にハマって連れてきてしまったわけです。
晶は望を倒し、徹にも怪我を負わせ、そして衝撃的な事実を徹に告げるのでした。

TOGSの隊長が、細菌兵器によって地球上を汚染させた当事者6人の直系の子孫であるということ。
そして晶の属している組織の長であるプロフェッサーも同じく、当事者の子孫であること。
晶も徹と同じ抗体者で、この抗体者は100万人に1人の突然変異ではなく、実は人為的に造り出されていたこと。
抗体者は全部で9人いて、TOGSの5人以外の4人は晶の組織にいること。

これらの事実を告げた後、晶はコールドスリープされている感染者たちを奪おうと奥へと進んでいきます。
ここで由美を奪われたら二度と逢えなくなってしまうと思った徹は、力を開放して爆発を起こすのでした。

TOGS本部は崩壊。晶にやられた望は意識不明の重体となり、本部の別の場所で戦っていた綾佳も負傷。
徹は由美を守りましたが、コールドスリープしていた感染者の半数は結局奪われてしまったのでした。
望とアデレードにいる遙以外のTOGS3人が隊長の所へ行くと、そこにはバルマーもいます。
徹が過去に何があったのかを隊長に聞くと、全てを話してくれるのでした。

100年前、地球の環境悪化は末期症状を迎えており、
シェルター都市と呼ばれる居住区へ移り住まなくてはいけなくなったと。
そして環境悪化を食い止めるべく、「暁の四賢者」と呼ばれる組織が発足。
4人の自然科学者たちが集められてできた組織です。
TOGSの隊長であるフェンリルはこの4人の科学者の1人の息子で、バルマーも同じく。

科学者たちはMMMV菌を作り出します。
シェルター都市へと移り住んだ後でも人間による環境破壊は止まらず、抑止力とするために作り出したのでした。
しかし4人の科学者のリーダーである、プロフェッサーと呼ばれる男は実際に使用することを提言。
まだワクチンも出来上がっていない状況であり、他3人の科学者は反対をしますが…。

その場は引いたプロフェッサーですが、結局MMMV菌を搭載したミサイルを発射させようとします。
そこをプロフェッサーの息子であるカインが銃で撃ち抜き、食い止めた…かのように思えましたが、
最後の力を振り絞って発射ボタンを押してしまうプロフェッサー。
こうして地球上は汚染されてしまったのでした。

残った科学者たちはMMMV菌を作り出してしまった自分たちにも責任があると考え、
せめてもの罪滅しとして全力を注いでワクチン開発の研究を続けます。
カインは暴走した父親を止めようとしたことからカリスマ的支持を得て、新たな組織のリーダーに。
それから70年経っても全く成果は出ず、ようやく一筋の光明として出てきたのが抗体者なのでした。

しかし抗体者はMMMV菌ウイルスに感染しないかわりに超人的な力も持ちあわせていたため、
科学者たちの間でも意見が分かれます。
リーダーであるカインは採用することを決め、抗体者を生み出した博士に自分の目的を告げます。
抗体者を兵器として利用し、今なおシェルター内で地下資源を食い尽くそうとしている人間を管理すると。
そのために抗体者の量産を支持するのでした。

博士はその後、自分を含む4人の科学者を集めてカインの目的を伝えます。
この4人の中にはフェンリルとバルマーもいます。
抗体者は兵器として利用するために作り出したのではないことから、4人は組織から抜け出すことを決意します。
9体の抗体者のサンプルを4人で分散し、それぞれが別々に逃げて最終的に東京Cityで落ち合う計画。
しかし結局東京へたどり着けたのはフェンリルともう1人だけ。
1人は死亡し、もう1人であるバルマーもサンプルを奪われてしまったのでした。

バルマーは整形して姿を変え、カインの組織へ戻って別人として活動をすることに。
隙を伺ってカインに奪われた抗体者を連れて逃げるつもりでしたが、結局分かったのは2人まで。
死亡した科学者は死ぬ間際、密かに体外受精バンクへ侵入して凍結受精卵に09のサンプルを紛れ込ませており、
完全に行方が分からなくなっていましたが、偶然にも望&綾佳に出会ってTOGSへ入ったと。
バルマーによると残った2体の抗体者は晶、それにディアドラだということです。

やがて、カインが全世界に環境破壊を止めなければMMMV菌を搭載したミサイルを撃ち込むと宣言。
カインは宇宙にあるメギドという要塞へいることが分かり、
TOGSメンバー全員、それに隊長とバルマーで宇宙船に乗ってメギドへ乗り込み最終決戦へと挑むのでした。

メギドへ到着すると、徹は綾佳から「生き残ってデートしよう」と言われ、これを約束。
3手に分かれて進んでいき、徹と隊長は晶に遭遇。
晶は徹との1対1の対決を望んでおり、隊長を素直にカインの元へと行かせます。

晶は徹と戦いながら場所を変え、MMMV菌ミサイルとMMMV菌のワクチンミサイルがある部屋へ。
ミサイルの発射権限は晶が掌握しているということで、自分に勝てば発射を阻止できると。
晶は戦闘マシーンとしてずっと育てられてきたため、人間の優しさというものを知りません。
なので人間を信じている徹を否定します。抗体者は普通の人間にとって浮いた存在で、絶対に迫害されると。

優しさに触れて育ってきた徹は信じているため、晶に反論しながらついに決定的な一撃を繰り出します。
そこに割り込んできた1人の人間。それはディアドラでした。
ディアドラは晶の側で一緒に育ってきたにも関わらず、人間の優しさを教えてあげられなかったことを悔いています。
自らが命を投げ出して晶をかばうことでそれを伝えようとしますが、
徹の攻撃を受けて瀕死のディアドラを晶は自らの手で殺してしまうのでした。

激怒した徹は感情を爆発させて晶を攻撃。その一撃は深々と晶を貫きます。
晶はわざと自分の攻撃は外して徹の攻撃を受けたのでした。
晶は徹が見る人間の未来を自分も見てみたいと言い、最後にミサイルの解除コードを徹に伝えて死んでいきます。
同じ頃、隊長のフェンリルもカインを撃ち抜いて殺害します。

解除コードを入力した徹ですが、メギドは数十体のネオ・ヴァイラスが暴れており崩壊寸前に。
死を覚悟して諦めた徹は綾佳とデートする約束を思い出し、守れないことを心の中で謝ります。
その時でした。どこからともなく綾佳がやってきて、徹を迎えに来ます。
心の中で晶とディアドラが徹を導き、手を延ばすと小型船に乗った望がその手をキャッチ。
徹と綾佳を救出してみんなの元へと戻るのでした。

メギドを完全破壊し、全て終わった…かに思いましたが、メギドからミサイルが発射されます。
それは地球上へ降り注ぎ、中身を地球全土へとばら撒きます。
その中身とは…MMMV菌ではなく、そのワクチン。発射させたのは最後まで1人メギドに残っていた隊長。
ワクチンは地球全土へ降り注ぎ、汚染された地球を青い緑の星へと戻してくれるのでした。

エピローグ。
あれから2年が経過。
ワクチン接種によってMMMV菌による脅威はなくなり、抗体者でなくてもシェルターの外へ出られるように。
完全に地球の汚染が回復されるまでにはまだ時間が必要なため、少しずつ開拓が進められています。

TOGSは解体され、軍に残ったのは遙のみ。
徹、綾佳、望の3人は地球の自然環境を保護するための活動を続けています。
由美もコールドスリープから目覚め、徹と一緒に活動をしています。
あの日からちょうど2年が経過したということで、全員は久しぶりに集まることに。

丘の上にある隊長、カイン、晶、ディアドラの墓の前で佇む徹。
そこに綾佳が現れます。
下ではパーティーがすでに始まっており、綾佳と一緒にパーティーへ戻ることにした徹。
その手を掴んだ綾佳は、徹に「また背が伸びたね」と言うのでした。

パーティーは続いていき、徹は抜け出して木の下で由美と眠りから目覚めた時のことを振り返ります。
やがて望と綾佳に呼び出され、パーティーへ戻っていく由美。
由美は綾佳の隣に行くと、徹のことを「諦めません」と告げるのでした。

一人佇む徹は晶のことを思い浮かべ、
「この地上で自分たち抗体者は居場所を作っていくからそこで見ていてくれ」と囁くのでした。



・感想
近未来SF作品。設定は同時期に連載していた「E’S」になんとなく被る感じ。
でも個人的には「E’S」よりこっちの方が好きかな。
あっちは冗長で結構グダグダ感もあるので…。こっちは展開もスムーズで程よい長さで読みやすい。
まぁ最後宇宙に舞台を移しての最終決戦は行き過ぎに思うこともないが。

今回端折ってしまった残り2体の抗体者は、アリシアとシンシア。
バルマーに保護されていつも一緒に行動している。
組織には抗体者の2人は事故で死んだと見せかけて、別人としてバレないように育ててきたと。
ついでにディアドラはアリシアの実の妹。洗脳されているけど最後は洗脳が解けて元通りに。
まぁ晶をかばって死んでしまうけども。

徹がTOGSに入った最大の目的が幼馴染の由美。
扱い的にはメインヒロインになると思うんだけど、じゃあ最後でくっついたかというとそうではない。
綾佳も徹が好きで、終盤は結構積極的なので逆転ホームランも十分ありえそうだった。
どちらと結ばれたかは読者に委ねるって感じの終わり方ですな。

ちなみに作者の斎藤カズサ先生は、この作品に合わせて絵柄を変えたとのこと。
確かに「赤のクルセード」「白のテンペスト」と比較するとだいぶ変わったなぁという印象を受ける。
中世ファンタジーから近未来SFというある意味真逆な世界観なので変えたようだけど、正解だったんじゃないかな。
[ 2012/10/29 ] エニックス漫画 | TB(1) | CM(0)

白のテンペスト

白のテンペスト/斎藤カズサ/全4巻


ガンガンファンタジーで連載されていた、「赤のクルセード」の前日譚にあたる作品。



・内容
主人公はソルトブルク公国の王女ディアナ。
特徴的な青い髪の持ち主で、生まれた時から「滅びの子」と呼ばれています。
母親は亡くなっており、父親である国王もディアナには冷たい対応を取ります。

ディアナが12歳の誕生日を迎えた日、国王の側近であるサイファーに命を狙われることに。
そこをウォルター、アッティカの2人が助けにきます。
ウォルターはいつもディアナに優しく接してくれているソルトブルクの騎士。
アッティカはフーヴァー卿の娘で、高貴な身分でありながらヤンチャでお転婆。
フーヴァー卿からはディアナを守るように言われています。

サイファーは強力で、3人は崖まで追い詰められてしまいます。
アッティカは一か八かで崖下の川へ飛び込むことを決め、3人は飛び降りるのでした。

それから5年後。
3人は無事に生き延び、放浪の旅を続けています。
途中で立ち寄った村の遺跡で守護者と出会い、ディアナは杖を受け取るのでした。

次に立ち寄ったバル=ジーという街で騒ぎを起こしてしまうディアナ。
自我を無くし、杖を使って強力な魔法を使用。そこにいた兵士を皆殺しにしてしまいます。
駆け付けたアッティカを見て元に戻りますが、その現場は凄惨な光景。
それを見たディアナは発狂して気絶してしまうのでした。
騒ぎの原因が青い髪の魔女だという話は瞬く間に広まり、とある男の耳にもそれが届きます。

目覚めたディアナはベッドの上。
自分がしたことを思い出し、側にいたアッティカに「嫌いにならないで」と言います。
アッティカは長く一緒にいるんだから自分を信じろと優しく言い、二人の仲はこれまで通りになるのでした。

ジィニという村にたどり着いたディアナたちは、そこで大歓迎を受けます。
村の者はディアナのことを「姫神様」と呼ぶのですが…。
見に覚えがないディアナは別人だと主張しますが、
村長に連れられていった場所で村の守り神だという石像を見せられます。その姿はディアナにそっくり。
ディアナは初め自分かと思いましたが、よく見ると微妙に違っており、この像は母だということを確信します。

壊れてしまった杖を像の前の祭壇に捧げると、杖から光が発生。
そして像の目が開き、ディアナに語りかけてくるのでした。「北の地パルムへ来なさい」と。

翌日、ジィニ村にアスラン国の兵士たちがやってきます。
兵士たちの目的はディアナ。子供たちを人質に取って引き渡すように要求してきます。
ジィニの人たちは従おうとはしませんが、ディアナは子供たちを助けるべく自ら捕まる道を選ぶのでした。

城へ連れてこられるディアナ。魔法を警戒して一切魔法が使えなくなる封魔符を身につけさせられます。
そして部屋に閉じ込められるディアナですが、しばらく経って一人の男が。
その男は魔族に強い怨みを持っており、ディアナを殺そうと本気で襲いかかってきます。

封魔符で力を封じられているディアナは必死に逃げますが、すぐに捕まってしまいます。
男は「本気でかかってこい」と言って封魔符を外し、ディアナを斬り付けます。
するとディアナの中に眠る魔族の血が覚醒。自我を無くし、圧倒的な力で男を攻撃。
しかし無事に生き残る男。ディアナはここで正気を取り戻し、殺さなくて良かったと安堵するのでした。
ここで助けに来たアッティカが駆け付け、男にまだやる気なら容赦はしないと言うと、
男は素直に撤退を決めて去っていくのでした。

パルムへたどり着いたディアナとアッティカ。
大僧院へと向かっていると、ソルトブルクからの刺客であるモンスター軍団に襲われます。
必死に戦いますが、相手は強力で数も多く苦戦。
そこにディアナの命を狙っていたあの男が登場し、加勢してくれます。
やがて大僧院からも一人の男がやって来て、強力な力でモンスターを一掃してしまうのでした。

大僧院の男はディアナを迎えに来たと言い、自らの名前をセキと名乗ります。
セキに案内されて大僧院の中に入ると、そこにはディアナの母親であるエヴァが。
死んだと聞かされていた母ですが、実は生きていたのです。

母親からソルトブルクにはカドケウスという邪神が封印されていることを聞くディアナ。
かつてこの世界には3体の魔神がおり、世界の覇権をめぐって三つ巴の戦争を巻き起こしたという伝説があります。
しかし実際にはこの中の一体であるカドケウスのみが覇権を望み、和を乱したと。

他の2神はカドケウスと戦いましたが、海の神は倒され、地の神も苦戦。
地の神は精霊界から力を借りることを決め、ディーファという一族を召喚します。
ディーファは人間の中から優れた力を持つ者を選び出し、三種の神器を授けます。
その力を借り、地の神はカドケウスを後にソルトブルクと呼ばれる地に封印したのでした。

しかし封印は弱まってきており、カドケウスは再び地上へ現れようとしています。
そこで、それを阻止するためにエヴァは娘であるディアナに協力を要請。
実はエヴァの正体は地の神であり、ずっとカドケウスを抑え込んできましたが、
ある時に政務でパルムを訪れたローランド三世(現ソルトブルク王)と恋に落ちます。

子供を産むと力を失ってしまうため、子を儲けないことを条件に僧院はエヴァが嫁ぐことを認めます。
しかしやがてエヴァは懐妊。
僧院は大反対をしますが、愛する人との間に授かった大切な子。エヴァは反対を押し切って産むことを決めます。
ローランド三世も「子に罪はないから二人で精一杯守っていこう」と言い、やがてディアナが誕生したのでした。

生まれた時から「滅びの子」と呼ばれ、ずっと自分が誰にも望まれずに生まれてきたと思っていたディアナですが、
両親に愛されて生まれてきたことを初めて知るのでした。

父親であるローランド三世はサイファーに操られ、次第に狂っていってしまったと聞かされます。
ディアナを守るため、自分が完全におかしくなる前に遠ざけようとし、冷たい対応をしていたと。
そして今のローランド三世はその肉体をカドケウスの苗床とされており、復活は時間の問題。

ディアナは覚悟を決めますが、今の自分の力では死ぬだけだと思い、
大僧院にあるとされる人間の潜在能力を極限まで引き出す力があるという「開闢の秘石」を使うことを決めます。
ただし心と体に強大な圧力が生じるため、ほとんどの人間は発狂するか死ぬかで耐え切った人は数える程。
エヴァを含む全員に止められますが、それでもディアナは強い意志で挑み、見事克服。
しかしその代償として青い髪は失われ、白髪となってしまうのでした。

かつてカドケウスを封印した時に使われた三種の神器。その1つはセキが持つ「封魔杖(クロス・クロス)」。
もう1つはディアナの命を狙っていた男が持つ「魔族喰い(デモン・イーター)」。
残念ながら残り1つはありませんが、この2つを使ってカドケウスの封印を目指すことになります。
そして一同はソルトブルクへと向かうのでした。

ソルトブルクへ到着するディアナたち。
セキは用事があると言って一人いなくなり、残ったメンバーで進んでいきます。
そしてサイファーの元へたどり着くディアナたち。いよいよ最終決戦が始まります。

サイファーに強い殺意を抱く、魔族喰いを持つ男。
男はサイファーが率いる魔族の軍団に滅ぼされたガナディア国の第一皇子、ラシェだということが判明します。

サイファーの力は圧倒的で、全員は壊滅的なダメージを受け、カドケウスも復活してしまいます。
そこにセキが到着し、結界を張ってサイファーの攻撃を防いでいきます。
その間にディアナたちは僧院たちの治療によって回復。

アッティカだけは脈も呼吸も完全に止まっていましたが、セキから受け取った石によって復活。
そしてその姿を獣へと変えるのでした。この獣こそが最後の三神器、「獣騎士(ゾア・ナイツ)」。
今ここに全ての神器が揃ったことになります。

ディアナは己の中に眠る地の神としての力を発揮し、カドケウスを食い止めます。
その間にセキはカドケウスを封印する結界を作り出していき、
ラシェはカドケウスを結界の中央に叩き落すべくアッティカに乗ってカドケウスを攻撃します。
やがて結界が完成し、ラシェもカドケウスを結界の中央へ落とすことに成功。
三種の神器の力を使い、カドケウスは再び封印されたのでした。

カドケウスの封印と共に大半の魔族はいなくなりましたが、まだ一部には残っているため、
ディアナたちは後始末へと向かい、やがて「聖戦」は終わりを告げるのでした。

エピローグ。
聖戦から30年が経過。すっかり老人となったウォルターは、子供たちに昔話として「聖戦」の話をします。
ディアナがその後どうなったのかを聞かれると、
ソルトブルクの王座に就き、平和が戻るまでこの国を治めた後、いなくなったと答えます。
どこへ行ってしまったのかは誰も知らず、女王の帰還を待って王座は空白のまま。
そしてディーファの祝福を受けたディアナは長命を授かっているため、今でも元気にどこかで旅をしているだろうと。

ウォルターの話を聴き終わった子供たちが外へ出ると、女性とぶつかります。
その女性の周囲には3人の人物。子供たちは肖像画でその4人を見たことがあったのでした。
それは、先ほど聞いたウォルターの聖戦の話に出てきたディアナ、ラシェ、セキ、アッティカで…。



・感想
前回取り上げた「赤のクルセード」に出てきた三英雄の一人、ディアナをメインとしたストーリー。
まぁ黒、赤とくれば当然残された白もあるわけでね。
内容的にはディアナの過去話です。「黒のシエスタ」と「赤のクルセード」の100年前が舞台となっている。
「赤のクルセード」では明かされなかった三英雄の出会いなども描かれているので、この世界観が好きな人は。

設定的にはエルナサーガと共通する部分が結構見受けられる。
主人公が王女で、祖国を追われ、王の側近に命を狙われるあたりとかね。
エルナサーガに比べると大作感はないけれど、4巻という程よい長さでまとめてあるので読みやすくて良い。
ストーリー的にも結構面白いと思う。

説明不足なのでアッティカについて補足。
フーヴァー卿には元々娘はおらず、森の中でアッティカに出会っている。
アッティカは獣としての部分を石という形で分離し、人間として存在していた。
セキは最終決戦でソルトブルクへ着いてすぐに用事でいなくなったけど、これはフーヴァー卿に会うため。
アッティカの秘密に気付いたセキが、フーヴァー卿から全てを聞き出して獣の部分が封印された石も預かったと。

アッティカはディアナの大親友として最初から最後まで一緒にいる良いキャラ。
獣になってしまったのは結構ショックだったんだけど、
エピローグでは元の人間の姿に戻ってディアナたち三英雄と一緒に旅をしているのでまぁ良いかな。
でも「黒のシエスタ」と「赤のクルセード」で出て来なかったのは…死んだのか?
エピローグからさらに70年後の話になるしなぁ。
それか作者がその辺考えていなかったか。後付け設定で三種の神器にしたとかね。

全ての巻で巻末にあとがき有り。どれも大体似通った内容。
[ 2012/10/27 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

赤のクルセード

赤のクルセード/斎藤カズサ/全1巻


ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
魔物を封じ込めた「聖戦」が100年前にあり、その時に3人の英雄が出現した。
その三英雄とは、白の魔導士、黒の剣士、赤の僧闘士。

「黒のシエスタ」
武器屋で働くラシェという少年。
彼は剣士になることを夢見ており、剣を買うためのお金を貯めています。
ラシェは頼まれた剣を配達に行く途中、とてつもない美人の女剣士を発見。
女剣士はその外見に似合わず、凄い剣を身に着けているのでした。

次の日、ラシェは街中でモンスターに襲われます。
そこを助けに入る女性。それは昨日見たあの女剣士でした。
しかし女性は剣を使わず、魔法を使ってモンスターを撃退します。
女性の髪は白髪であり、その正体は今や伝説として伝えられている白の魔導士。
白の魔導士は自らを「ディアナ」と名乗り、古い友人に頼まれたのでラシェの護衛をすると言うのでした。

再び襲ってくるモンスター。
そのモンスターには魔法が効かず、ディアナはラシェに自らの剣を持たせて逃がそうとします。
しかしディアナは食い止めきれず、ラシェはモンスターに殺されてしまうのでした。
モンスターはその後ディアナも殺そうとしますが、青年に成長した姿で復活したラシェに倒されます。

ラシェの正体は黒の剣士。
戦いに飽きたラシェは15年前、普通の生活がしたくなります。
そこでディアナに頼み込んで姿と記憶を封印してもらい、別人格として過ごしていたのでした。
封印される前に「時々でいいから見守ってやってくれ」とお願いをしていたため、ディアナが護衛をしていたと。

ディアナはもう一度封印するかどうかを聞きますが、剣士の方が性に合っているラシェはそれを断ります。
そしてディアナと一緒に、山奥で隠居生活をしている残る三英雄の一人へと会いに行くのでした。

「赤のクルセード」
ラシェとディアナは目的地であるパルムへ行く途中、ホトルスという港町にたどり着きます。
宿屋でラシェが得た情報によると、パルムへ行く途中にある北の森では行方不明者が相次いでいるとか。
やがて、ディアナが一人の少年を連れて戻ってきます。
その少年は喉を潰されており、まともに喋ることができません。
凄い熱でもあったため、ラシェは医者を呼んできて任せるのでした。

北の森へ向かうラシェとディアナ。森に入った時から瘴気を感じ、モンスターにも襲われます。
モンスターを倒すと、そこにはあの少年がいます。この森は危険だというのを伝えるために着いてきたと。
少年が「本当に恐ろしいのはモンスターではなくあいつら」と言ったところで、謎の僧兵団が襲ってきます。
僧兵団の武器には毒が塗られており、ラシェは動けなくなり大ピンチに。
そこを助けに入る赤い髪の男。男の力で僧兵団を撒き、ラシェたちは助かるのでした。

少年の案内で森の中にある村へ行き、男から毒消しを作ってもらって回復したラシェ。
男の正体は三英雄の一人である赤の僧闘士セキ。ラシェとディアナが会いに行こうとしていたその人物です。
セキは治療の力を持っており、潰された少年の喉を治すのでした。

喋れるようになった少年によると、ここは以前自分が住んでいた村だということです。
そしてある日、森の中にある古い神殿にクトゥール教という教団が移り住んできたとのこと。
最初のうちは村人ともうまくやっていましたが、やがて教団は村人を強制労働に駆り出すようになったと。
これを聞いたラシェは教団へ乗り込んで行こうとしますが、セキはそれを止めるのでした。

その夜、僧兵団が村を襲ってきます。
相手のリーダーであるゲオルグと戦ったラシェは、相手の仮面を弾き飛ばします。
その素顔は最初は男でしたが、やがて女に変化。そして自分を殺してほしいと頼むのでした。
ラシェが躊躇していると、再び男の顔に戻ったゲオルグは逃亡。
その先にいたセキに逃さないよう言いますが、セキはゲオルグをスルーして逃がしてしまうのでした。

単身で神殿へと乗り込んでいくセキ。それを知ったラシェとディアナは急いで後を追います。
そして神殿で救出した村人から聞いた話によると、この神殿には旧神の1つが封じられているそうです。
この話を聞いたディアナは、かつて旧神を蘇らせようとしていた男がいたのを思い出します。
その男は自らを「解放する者(ゲオルグ)」と名乗っていたのでした。

ゲオルグは高位の魔導師でしたが、危険な思想の持ち主だったためにパルムの大僧院からは排斥されます。
しかし肉体を失ってもなお思念は残り続けたため、教団は大僧院の奥深くに封印。
パルムの大僧院がセキの身内が治めていたため、セキは全てを知っていたことになります。

神殿の奥へとたどり着くセキ。そこにはゲオルグがおり、旧神アドヴァーン復活の儀式を進めています。
ゲオルグが仮面を取ると、その下には女の素顔が。そしてセキを「兄上」と呼ぶのでした。

セキにはルシアという妹がいます。
旅に出なくてはいけなかったセキは僧院のことをルシアに任せ、ルシアも優しく兄を送り出したのでした。
しかし僧院で一番強い霊力を持っていたルシアは封印されていたゲオルグに狙われ、その体を奪われてしまったと。
セキが村でゲオルグを逃したのも、一人で神殿に乗り込んでいったのも、全てはこのため。

アドヴァーン復活にはあと1人の生贄が必要なため、ゲオルグはセキを最後の生贄とすべく襲ってきます。
能力的にはセキの方が上回っているため、ゲオルグを倒す寸前までいきますが、
ゲオルグは卑怯にもその顔と声を妹のものに変えて躊躇を誘い、その隙を突いてセキを剣で貫きます。
セキにトドメを刺そうとするゲオルグですが、背後からラシェに斬られてしまうのでした。

ラシェはゲオルグの素顔を初めて見た時から何か引っかかるものがありましたが、
それがセキの妹だというのを思い出したのです。
セキに妹殺しをさせてはならないと思い、自らがその役目を引き受けたと。
ラシェは謝りますが、セキもその真意は分かっているので納得をします。
憑依というのは宿主を完全に殺してから行われるため、ルシアはすでに死んでいたのですから…。
ただそれが分かっていても、肉体はルシアの物なのでどうしても躊躇せざるを得なかったと。

殺したと思ったゲオルグですが、実はまだ生きています。
そして自らを最後の生贄として捧げることで、アドヴァーンを復活させてしまいます。
アドヴァーンを再び封印すべく、ラシェが食い止め、その間にセキとディアナは結界を張ります。
魂のみの存在となっていたルシアもこれを手伝い、見事にアドヴァーンを封印。全てが終わったのでした。

エピローグ。
心の深い傷を負ったセキは何も言わず、黙って一人で行ってしまいます。
ラシェとディアナは、また二人で旅を続けていくことにするのでした。
旅立ちの際に少年から自分たちの正体が三英雄ではないかと聞かれますが、
二人はそれには答えず、少年に手を振って去って行くのでした。



・感想
この単行本には「黒のシエスタ」と「赤のクルセード」という2作品が収録されている。
前者は読み切りで、後者は短期集中連載。

読み切りというのは大抵巻末に収録されているものだけど、
この本では冒頭に「黒のシエスタ」が掲載され、その後に「赤のクルセード」全5話が載っている。
これは、「黒のシエスタ」のラストからそのまま「赤のクルセード」の第1話へと話が繋がっているため。

描かれたのも「黒のシエスタ」の方が先。
これが掲載された翌月にはもう「赤のクルセード」が連載開始されたため、
事実上両方を合わせて1つの作品として形成されている。

タイトルに色が入っているので分かりやすいと思うけれど、
「黒のシエスタ」は黒の剣士ラシェ、「赤のクルセード」は赤の僧闘士セキをメインとしたストーリー。
となれば、残された白の魔導士ディアナは…。

内容としてはコテコテな中世ファンタジー。剣と魔法とモンスターの世界。
なのでこれといって特筆すべき点はないかなぁ。
[ 2012/10/25 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

はむこみ!

はむこみ!/アンソロジー/全3巻


90年代後半に発売された、ハムスターを題材としたアンソロジーコミック。



・内容
ハムスターをペットとして飼っている作者たちによる実録漫画です。
作者陣は「にゃんこみ!」と同じく、エニックス系でお馴染みの人たちばかり。

1巻
魔神ぐり子・夜麻みゆき・御茶まちこ・村上ゆみ子・時流亜希羅・岩佐あきらこ
真木羊・梶原あや・成原とんみ・ナイダウル内田・武藤冴・幸宮チノ
2巻
梶原あや・祥寺はるか・岩佐あきらこ・武藤冴・関さち・御茶まちこ
時流亜希羅・真木羊・ナイダウル内田・成原とんみ・智・幸宮チノ
3巻
梶原あや・魔神ぐり子・祥寺はるか・たかなし霧香・智・武藤冴・御茶まちこ
成原とんみ・関さち・キャンディー・サトウ・草加伊織・幸宮チノ

描いている作者は以上のようになっています。



・感想
前回に引き続き「キューティー・ペット・シアター」シリーズ。
といっても「にゃんこみ!」と「はむこみ!」の2つしか出ていないので、今回で終わりです。
ハムスターは自分も子供の頃に飼っていたことがあるので、読んでても親近感があって楽しめた。

「にゃんこみ!」の時と同じく、2・3巻には巻末に読者から送られてきたハムスター4コマを掲載。
あと前回はあえて触れなかったんだけれど、カバー下(裏)にオマケ4コマがあったりする。
作者は梶原あや先生で、エリザベスという女性を主人公としたもの。
「にゃんこみ!」で2回、「はむこみ!」で3回の計5回。
それぞれちゃんとエリザベスと猫の絡み、エリザベスとハムスターの絡みになっています。
[ 2012/10/23 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

にゃんこみ!

にゃんこみ!/アンソロジー/全2巻

90年代後半に発売された、猫を題材としたアンソロジーコミック。



・内容
猫をペットとして飼っている作者たちによる実録漫画です。
作者陣はエニックス系でお馴染みの人たちばかり。一部見慣れない人もいますが。

1巻
天野こずえ・川本祐太郎・斎藤カズサ・くぼたまこと・兼本あつこ・黒木祐里
武藤冴・白鳥ハト・ふじいたかし・ほりますみ・斉藤功記・北条晶・幸宮チノ
2巻
白鳥ハト・ふぢたしょうこ・時流亜希羅・真木羊・くぼたまこと・成原とんみ
浅村イオン・武藤冴・正木らか・まつやま登・兼本あつこ・関さち・梶原あや

描いている作者は以上のようになっています。



・感想
「キューティー・ペット・シアター」と題し、90年代後半に発売されたペットアンソロジーの1つ。
これスクエニの公式サイトだと、なぜかギャグ王コミックス扱いになっている謎。
だから一応集めてみたりして。でも実際の本にはどこにもギャグ王コミックスという表記はありませぬ。

買ったまま積みっ放しで今回取り上げるにあたって初めて読んだんだけれど、
何気に黒木祐里先生が参加していて驚き。「燃えもえ」しか描いていないと思ってた。
あとは兼本あつこ先生や正木らか先生あたりもわりとレアっぽい。

作者陣はガンガン、ギャグ王、ガンガンファンタジー、アンソロジー(4コマ)系から幅広く集めてますやね。
まぁ全く見覚えのない作者も何人かいるけども。
エニックスのゲームアンソロジー系は半分ぐらいしかカバーできていないので、
もしかしたら自分の持っていないゲームアンソロジーで描いていたりするのかもしれないなぁ。
[ 2012/10/21 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

荻の原日記

荻の原日記/夢路行/全1巻


ガンガンファンタジー創刊号から連載されていた作品。



・内容
高校受験を控えた鈴森六花(すずもりりっか)という少女が不思議な出来事に遭遇し、
龍の鱗を飲み込んでしまったことから自身も特異体質になってしまうというお話。

泣いたり怒ったりドキドキしたり、感情が高ぶると周囲に異変を起こすようになってしまいます。
大雨を降らせたり、雷を落としたり、物を破裂させたりなど。
これではいけないと思い、
水の精(瑞那)と木の精(葉鳥)、それに龍の子供(通称チビ龍)が六花の側にお目付け役として付けられます。

高校に合格し、通うことになる六花。
学校でも六花の監視役として、瑞那が世界史の教諭としてやってきます。

ドタバタがありながらも学校生活は過ぎていき、友人も彼氏もできる六花。
感情もセーブできるようになってきており、大きな騒ぎを起こすことはなくなっていきます。
それを見た瑞那は、もう自分がいなくても大丈夫かと山へ戻ることを決めます。

六花は小さい時に瑞那と遭っているようなのですが、完全に忘れています。
思い出すことができないまま別れの日を迎え、
瑞那へのプレゼントを買って電車に乗っていると、痴漢に遭遇。
感情が高ぶってしまい、電車内で強力な風を発生させてめちゃくちゃにしてしまいます。
それに気付いた瑞那は六花の元へ駆け付け、優しく包み込んであげるのでした。

瑞那に抱きついて泣いていた六花は、ようやく全てを思い出します。
5歳の時に沼へ落ち、そこを瑞那に助けられたこと。
泣き止まぬ六花に「いい子にして泣き止んだら自分がお嫁さんにしてやるから」と瑞那が言ったこと。
それに「うん」と返事をして泣き止んだこと。そしてその後、楽しく遊んだこと。

葉鳥とチビ龍だけでは六花の力を抑えられず、近寄ることすらできなかったことから、
結局瑞那は残って六花の側にいることになります。
そして全員揃って写真を撮り、波瀾万丈な15歳は過ぎていくのでした。



・感想
なんというか少女漫画ですなこれは。絵もストーリーもいかにもという感じ。
主人公の六花と彼氏(高校の先輩)の出会いなんかは特に典型的。
でもコテコテな恋愛物ではなく、世界観は不思議系和風ファンタジーなので男でも読みやすい。
雰囲気も良いのでオススメな作品。

ガンガンファンタジーはその名の通り、ファンタジーを題材とした作品が揃っていたけれど、
不思議と女性向けのような印象を当時から持っていたんだよなぁ。
ガンガンとギャグ王は少年向けな作品が揃っていたのに対し、こっちは女性の好きそうなものも多かった。
女性作者が多かったからかな?まぁ絶対女性にはウケそうもないヤバい作品もあったけど…。あれとか。
[ 2012/10/19 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

こちらはエデン

こちらはエデン/克・亜樹/全1巻


ガンガンファンタジー創刊号から連載されていた作品。



・内容
世界のどこかにあるという、神様のつくった楽園「エデン」。
タケオ=イージマという16歳の少年がそこを目指して旅をしているところから物語は開始。
父親は冒険家で、現在はエデンにいます。
タケオにエデンの場所が記された地図を送り付け、ここに来るように書いたことから、エデンを目指しています。

1年かけてようやくエデンへたどり着いたタケオは、そこで一人の少女と出会います。名前はイーヴ。
イーヴはタケオの父親を知っており、タケオのことをヒアンセと呼びます。
どうやら婚約者(フィアンセ)のことで、父親に言われてタケオのヒアンセになったのだそうです。
しかしイーヴはヒアンセの意味を理解しておらず、タケオは教えていくのでした。

城で父親と再会したタケオは、父親がエデンを救った勇者だというのを知ります。
気球でエデンへたどり着いた父親は、偶然そこで暴れていたドラゴンに激突して倒したと。
そして父親は褒美として、女王様の娘であるイーヴをタケオの嫁にすることを要求したのでした。

ひょんなことから婚約者ができてしまったタケオ。
しかしイーヴからは奴隷のように扱われていて、辛い日々が続きます。
脱走したら手足を切断してギロチンの刑にすると女王様から脅されているため、逃げることもできません。
それでも何度もトラブルに巻き込まれるうちに、だんだんとイーヴのことを意識するようになっていきます。

そしてある日、エデンに一人の魔女が現れます。その正体はタケオの母親。
一人残された母親はタケオと父親を連れ戻すためにエデンまでやってきたのです。
タケオにイーヴという婚約者がいることが分かると、婚約破棄を要求。
女王様はあっさりこれを了承し、タケオは晴れて自由の身となるのでした。

その後、婚約破棄パーティーが開かれます。
パーティーから抜けだしたタケオが外で一人涼んでいると、そこにイーヴが現れます。
タケオから明日帰ってしまうことを聞いたイーヴが「タケオはここを出て行きたがってたもんな」と言うと、
心の中ではイーヴとの別れを惜しんでいますが言葉では肯定します。
それを聞いたイーヴはショックを受けるのでした。

そして翌日。タケオ一家はエデンを旅立っていきます。
イーヴは見送りには来ず、城の中で自分のした落書きを見ているとそこにはタケオからの別れの言葉が。
これを見たイーヴは自分の気持ちに素直になり、タケオの元へ向かうのでした。

エピローグ。
ジャポンの国へと戻ってきたタケオ一家。家は改造され、エデンの城そっくりに。
そしてそこにはタケオ一家だけでなく、イーヴや女王様も引っ越してきて一緒に住んでいるのでした。



・感想
ガンガンファンタジー創刊号から連載していた作品の1つ。
作者は「ふたりエッチ」でお馴染みなあの克・亜樹先生。
まぁこれはふたりエッチ以前の作品なので、当時はそこまで知名度が高いというわけでもなかったかな。
読んだことはないけれど、自分はザウロスナイトという作品で名前だけは知っていた。

ジャンルとしては異世界ドタバタコメディ。
個人的には全然面白いと思わなかったなぁ…。克・亜樹先生のファンなら読む価値はあるかなぐらいの評価。

本編以外だと「カツアキ☆タイムズ」という、克・亜樹先生の個人的な話が書かれたコーナーがある。全4回。
1~3回はガンガンファンタジー本誌に掲載されたもので、最後となる4回は単行本用に描き下ろしたもの。

それと「ルピア!」という読み切りも掲載されています。
これは増刊少年サンデー1983年7月号に掲載されたもので、幻の少年サンデーデビュー作なんだとか。
内容はエスパーの専門学校に通っている超落ちこぼれの主人公「家継」と、
その家庭教師として雇われた「ルピア」というエスパーの女の子によるラブコメ。

家庭教師になってから毎日勉強を押し付けてくるルピアに嫌気がさし、脱走を繰り返す家継。
ある日、家継が女の子とデートをしている現場を目撃したルピアは、エスパー能力を使って家継を操ることに。
操られて相手の女の子にひどい態度を取ってしまった家継はフラれてしまいます。
これにはとうとう家継も激怒。ルピアに罵声を浴びせて去っていきます。

父親から新しい家庭教師を紹介される家継。ルピアはどうしたのかと聞くと、「やめる」と言ってきたと。
家継はルピアが自分のために一生懸命になっていてくれたことを思い出し、電話で「戻ってきてほしい」と伝えます。
ルピアも家継の気持ちを考えずに勉強を押し付けてしまっていたことを反省し、誤ります。
ですが自分のやったことは何のためにもならなかったからと、戻ってくるのは拒否。

ルピアを戻ってこさせるためには成長していることを証明せねばならないため、テレポートを試みる家継。
すると見事に成功し、ルピアの家へテレポート。彼女を抱き抱えます。
家継がこれからも「ビシビシ鍛えてほしい」と言うと、ルピアもこれを受け入れるのでした。
[ 2012/10/17 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

スマイルはゼロゴールド

スマイルはゼロゴールド/佐野たかよし/全2巻

ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
ランランとリンリンという姉妹が経営するコンビニ「ツインズ」を中心としたお話。
最初は氷山やジャングルなど人の来なさそうな所で経営をしていますが、
途中から城下町に引越しをし、以降はそこに腰を落ち着けて経営をしていくことになります。

世界観はファンタジーなので、お客様は王子や勇者、さらには魔王などバラエティ溢れるメンツ。
ジャンルは1ページ1ネタ形式のショートギャグ作品です。



・感想
ファンタジー世界にあるコンビニという、面白い着眼点の作品。剣なども当然取り扱っている。
ギャグのレベルは悪くないので、なかなか楽しめるんじゃないでしょーか。
姉のリンリンは守銭奴で腹黒いのに対し、妹のランランは常識人。このあたりのバランスも良い感じ。
言葉遣いはなぜかリンリンが標準語でランランは関西弁と違っていたり。

1・2巻共に巻末に「スマイルはゼロゴールド誕生秘話」が掲載。
ランラン・リンリン姉妹が解説してくれています。当然ギャグのノリで。

あとこの作品、地味に未完だったりする。
ガンガンファンタジーコミックスにしては薄い(120ページ程しかない)ので、
もう少しページ数を増やしてちゃんと最終回まで収録してほしかったかなぁ。
[ 2012/10/15 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)