聖戦記エルナサーガ

聖戦記エルナサーガ/堤抄子/全13巻




ガンガンファンタジー創刊号から連載されていた作品。



・内容
はるか昔、極北の地より現れた魔獣フレースヴェルグ。
その翼から魔風を巻き起こし、世界を滅亡寸前まで追い込んだのでした。
そこに現れた一人の勇者がフレースヴェルグと戦い、北の魔境へ封印。
しかしフレースヴェルグは屍となった後もその骸から魔風を発生させ続けます。

勇者の使っていた剣は封魔剣と呼ばれるもので、
山の頂にその封魔剣である聖剣(グランテイン)を突き立てます。
魔風はこの剣を避けるように東西へと分かれていき、剣の風下にあたる土地は魔風から守られて平和に。
やがて長い年月が経過します。

主人公はエルナというアーサトゥアル国のお姫様。
この世界の人物は皆魔法の力を持っていますが、エルナだけはなぜか全く魔法を使えません。
封魔剣は人間の体内の魔力にも反応するため、少しでも魔法の力を持つものには抜くことができません。
全く魔法力を持たないエルナなら山の頂に突き立てられている封魔剣を抜くことができるため、
アーサトゥアルはエルナを戦争に勝つための道具として利用しようとしています。

アーサトゥアルと敵対しているのはアンサズ、グートルードという二つの国。
封魔剣によってフレースヴェルグの魔風から守られているため、
エルナが剣を抜いてしまうと魔風が直撃して全滅してしまうことになります。
そこでアーサトゥアルはエルナを剣の側にある離宮で待機させ、
おかしなことをすればすぐに剣を抜くぞ、と脅しをかけようとしているわけです。

この情報を事前に掴んだアンサズの第9王子こと不死身のシャールヴィは、
離宮に行かれる前にエルナを暗殺しようと、単身アーサトゥアルへと乗り込んできます。
そしてエルナを殺そうとしますが、そこにアーサトゥアルの大魔導師ヴァーリが出現。
ヴァーリは「エルナが離宮にいる」という話だけがあればいいということで、
エルナもろともシャールヴィを始末しようとします。

この事実にショックを受けるエルナ。
シャールヴィは方針を変更し、エルナを殺害するのではなく人質として連れ帰ることを選択します。
ヴァーリの目論見は、ここでエルナが死んでもそれを知る者は誰もいないため、
代わりの者を離宮に置いていても気付かれることはなく、脅しに使えると。
ならばエルナを生きた状態で連れ帰れば、エルナは離宮にはいないという事実を公表できるため、
それを打ち破れると。そういう考えに至ったわけです。

シャールヴィに守られてアーサトゥアルから脱出するエルナ。
エルナ殺害のためにグートルードからも追撃を受けますが、シャールヴィはエルナを守り抜きます。
エルナは自ら望んでシャールヴィに同行し、この戦争を止める手立てを探っていくことになります。

アンサズを目指すエルナとシャールヴィですが、途中で様々な出来事が発生。
ヴァーリはアーサトゥアルの王子エイリークに隠れて人体実験を行なっており、
それによって狂戦士を次々と産み出していきます。
この狂戦士たちによってアンサズは滅ぼされ、シャールヴィは亡国の王子に。

エルナは戦争を止めるためにはフレースヴェルグを倒し、魔風を止めるしかないという結論を出します。
シャールヴィには黙って一人で魔境へと向かい、
やがてアーサトゥアルを抜けだした時に自分を殺害しに来たグードルードの女騎士ラヴァルタと再会。
ラヴァルタはエルナの理想に惹かれ、彼女のために剣を振るうことを誓います。
エルナを追ってきたシャールヴィとも再会をし、物語はいよいよ最終局面へ。

アーサトゥアルを支配しているのはエイリークではなくヴァーリだという事実が明らかになり、
シャールヴィは戦争終結のためにアーサトゥアルへ乗り込んでヴァーリを殺害する作戦を提案します。
エルナは魔境でフレースヴェルグを倒すべきという考えなため、反対しますが、
フレースヴェルグを倒すために聖剣を抜いてしまったら魔風によって世界が崩壊してしまうため、
受け入れられずに終わります。

その頃、アーサトゥアルではエイリークが自らの命をかけてヴァーリを止めようとします。
そしてヴァーリを殺すことに成功したエイリークですが、自らはユグドラシルと呼ばれる樹になって死亡。
これによって世界中でユグドラシルが育ち始めます。

かつて勇者がフレースヴェルグを退治した時に、ユグドラシルが魔風から人々を守ったという伝説があり、
これを知ったシャールヴィはエルナを引き連れて魔境へ乗り込みます。

いよいよ最終決戦。
聖剣グランテインを抜いたエルナとシャールヴィのコンビでフレースヴェルグと戦いますが、
圧倒的な力差があり歯が立ちません。そこに死んだはずのヴァーリが登場。
実はヴァーリの正体は追放されたエルナの異母兄で、この魔境で死んだ死者。
フレースヴェルグの使い魔となることで復活を果たし、アーサトゥアルを支配して戦争を起こし、
世界を破滅させようとしていたわけです。

ただしヴァーリもただフレースヴェルグの操り人形となっていたわけではなく、
自らも研究してフレースヴェルグを逆に支配してやろうと考えています。
そこでフレースヴェルグを倒すには建物内部にある心臓を狙うしかないとエルナたちに教え、
建物内部でラストバトル。

エルナは最後の最後で躊躇してフレースヴェルグの心臓を攻撃することはできませんでしたが、
シャールヴィが心臓が乗り移ったヴァーリを倒したことで、フレースヴェルグは死亡。
魔風も止まり、戦争は終結をします。

エピローグ。
エルナとシャールヴィは結婚をし、新しい土地に新しい国を作って3人の子供(全員男)にも恵まれます。
そして世界には長きにわたる平和が訪れるのでした。



・感想
剣と魔法による超王道なファンタジー作品。ドラゴンも出てくるしねぇ。
中世ファンタジー好きなので、世界観なんかにもハマってかなり良い感じです。オススメ。
内容で説明したのは1巻と最終巻部分が主で間はほぼ省略しているので、
実際読んでみないとたぶんよく分からないと思う。

個人的に、1つだけエルナサーガに対する大きな問題が。
この作品、敵対する2つの国の王子と王女の恋物語も大きなウェイトを占めているわけですよ。
エルナとシャールヴィね。
エルナはエイリークが好きで、シャールヴィのことは何とも思っていなかったけれど、
一緒に行動をしているうちにどんどんと惹かれていく。シャールヴィも同じく。

何が問題かというと、最後までシャールヴィを好きになれなかったということ。
エルナは好きなんだけど、シャールヴィが好きじゃないのでこのカップリングは厳しかった。
1巻の時点ですでに作者の堤抄子先生が明言していたので、
この2人が結ばれるのは確定要素としてはあったんだけども。

男キャラで一番好きだったのはエイリーク。
内容では触れなかったけどシグルーンという女の子が出てきて、エイリークを姉の仇だと思っている。
命を狙うためにエイリークのお付きの人となるも、
実はエイリークは何も知らなくて全てはヴァーリの策略というのを知り、
どんどんエイリークに惹かれていく。それで最後はエイリークと一緒にユグドラシルに。

続編?でエルナサーガIIも出ているようだけど、こっちは読んでない。
打って変わって現代が舞台みたいだけど…どうなんだろ。

本編以外の収録情報。
1巻 あとがき&仕事場の秘密(執筆現場の裏話)
2巻 ギムレーの魔導書(作中に登場した魔法などの説明)、仕事場のひみつII
   おまけマンガ「アーサトゥアルの熱い夜(主要4キャラがバンドを結成する話)」
3巻 仕事場のひみつIII、おまけマンガ「3年B組ヴァーリ先生(主要4キャラが先生と生徒の話)」
4巻 エルサガ4コマ(作者:浅野りん)、仕事場のひみつIV、設定のひみつ
   おまけマンガ「魔法戦隊サーガレンジャー(主要キャラが戦隊キャラの話)」
5巻 仕事場のひみつV
6巻 仕事場のひみつVI
   おまけマンガ「アーサトゥアルの熱い夜II(シャールヴィとヴァーリがお笑いコンビの話)」
7巻 堤抄子のよりぬき人間化計画(月刊ニュータイプ1994年7月号掲載)
   いきなりカラダの話!?(月刊ニュータイプ1995年4月号掲載)
   夢は戻らない(月刊ニュータイプ1995年6月号掲載)
   音速の漫画家(月刊ニュータイプ1995年7月号掲載)
   仕事場のひみつVII
   おまけマンガ「おとーさんは心配症(現代が舞台で息子シャールヴィのデートの話)」
8巻 星に願いを(平成4年月刊少年ガンガン7月臨時増刊ファンタスティックコミック掲載)
   『星に願いを』のひみつ、エルナサーガ外伝CDのひみつ
9巻 ギムレーの史記 風土記(エルナサーガ世界の歴史)
11巻 仕事場のひみつVIII
12巻 仕事場のひみつ(アシスタント2人が1ページずつ担当)
13巻 ギムレーの魔導書 最終奥義(魔法の説明とエピローグの描き下ろし3ページ)

こんな感じで、10巻以外は必ず何かしらのオマケが付いています。
それと2~13巻までのあらすじは全て描き下ろしで数ページ載っているため、そっちも必見。
7巻に載っている月刊ニュータイプからの掲載作品は全て1ページの実録もの。
8巻の「星に願いを」は後にガンガンで連載されることになったスターゲイザーの原型です。

仕事場のひみつを読んでいると、どうやら浅野りん先生とはかなり仲が良いらしい。
ツイッターをやっていたのでちょっと見てみたら、
浅野りん先生と結構会話をしていたので今でも仲が良い様子。

そういえば純粋なガンガンファンタジーコミックスを扱うのはこれが初めてっぽい?
今まで扱ってきたのは全部ガンガンファンタジーで連載されてても
普通のガンガンコミックスとして出てたからなぁ。
[ 2012/08/15 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

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