赤のクルセード

赤のクルセード/斎藤カズサ/全1巻


ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
魔物を封じ込めた「聖戦」が100年前にあり、その時に3人の英雄が出現した。
その三英雄とは、白の魔導士、黒の剣士、赤の僧闘士。

「黒のシエスタ」
武器屋で働くラシェという少年。
彼は剣士になることを夢見ており、剣を買うためのお金を貯めています。
ラシェは頼まれた剣を配達に行く途中、とてつもない美人の女剣士を発見。
女剣士はその外見に似合わず、凄い剣を身に着けているのでした。

次の日、ラシェは街中でモンスターに襲われます。
そこを助けに入る女性。それは昨日見たあの女剣士でした。
しかし女性は剣を使わず、魔法を使ってモンスターを撃退します。
女性の髪は白髪であり、その正体は今や伝説として伝えられている白の魔導士。
白の魔導士は自らを「ディアナ」と名乗り、古い友人に頼まれたのでラシェの護衛をすると言うのでした。

再び襲ってくるモンスター。
そのモンスターには魔法が効かず、ディアナはラシェに自らの剣を持たせて逃がそうとします。
しかしディアナは食い止めきれず、ラシェはモンスターに殺されてしまうのでした。
モンスターはその後ディアナも殺そうとしますが、青年に成長した姿で復活したラシェに倒されます。

ラシェの正体は黒の剣士。
戦いに飽きたラシェは15年前、普通の生活がしたくなります。
そこでディアナに頼み込んで姿と記憶を封印してもらい、別人格として過ごしていたのでした。
封印される前に「時々でいいから見守ってやってくれ」とお願いをしていたため、ディアナが護衛をしていたと。

ディアナはもう一度封印するかどうかを聞きますが、剣士の方が性に合っているラシェはそれを断ります。
そしてディアナと一緒に、山奥で隠居生活をしている残る三英雄の一人へと会いに行くのでした。

「赤のクルセード」
ラシェとディアナは目的地であるパルムへ行く途中、ホトルスという港町にたどり着きます。
宿屋でラシェが得た情報によると、パルムへ行く途中にある北の森では行方不明者が相次いでいるとか。
やがて、ディアナが一人の少年を連れて戻ってきます。
その少年は喉を潰されており、まともに喋ることができません。
凄い熱でもあったため、ラシェは医者を呼んできて任せるのでした。

北の森へ向かうラシェとディアナ。森に入った時から瘴気を感じ、モンスターにも襲われます。
モンスターを倒すと、そこにはあの少年がいます。この森は危険だというのを伝えるために着いてきたと。
少年が「本当に恐ろしいのはモンスターではなくあいつら」と言ったところで、謎の僧兵団が襲ってきます。
僧兵団の武器には毒が塗られており、ラシェは動けなくなり大ピンチに。
そこを助けに入る赤い髪の男。男の力で僧兵団を撒き、ラシェたちは助かるのでした。

少年の案内で森の中にある村へ行き、男から毒消しを作ってもらって回復したラシェ。
男の正体は三英雄の一人である赤の僧闘士セキ。ラシェとディアナが会いに行こうとしていたその人物です。
セキは治療の力を持っており、潰された少年の喉を治すのでした。

喋れるようになった少年によると、ここは以前自分が住んでいた村だということです。
そしてある日、森の中にある古い神殿にクトゥール教という教団が移り住んできたとのこと。
最初のうちは村人ともうまくやっていましたが、やがて教団は村人を強制労働に駆り出すようになったと。
これを聞いたラシェは教団へ乗り込んで行こうとしますが、セキはそれを止めるのでした。

その夜、僧兵団が村を襲ってきます。
相手のリーダーであるゲオルグと戦ったラシェは、相手の仮面を弾き飛ばします。
その素顔は最初は男でしたが、やがて女に変化。そして自分を殺してほしいと頼むのでした。
ラシェが躊躇していると、再び男の顔に戻ったゲオルグは逃亡。
その先にいたセキに逃さないよう言いますが、セキはゲオルグをスルーして逃がしてしまうのでした。

単身で神殿へと乗り込んでいくセキ。それを知ったラシェとディアナは急いで後を追います。
そして神殿で救出した村人から聞いた話によると、この神殿には旧神の1つが封じられているそうです。
この話を聞いたディアナは、かつて旧神を蘇らせようとしていた男がいたのを思い出します。
その男は自らを「解放する者(ゲオルグ)」と名乗っていたのでした。

ゲオルグは高位の魔導師でしたが、危険な思想の持ち主だったためにパルムの大僧院からは排斥されます。
しかし肉体を失ってもなお思念は残り続けたため、教団は大僧院の奥深くに封印。
パルムの大僧院がセキの身内が治めていたため、セキは全てを知っていたことになります。

神殿の奥へとたどり着くセキ。そこにはゲオルグがおり、旧神アドヴァーン復活の儀式を進めています。
ゲオルグが仮面を取ると、その下には女の素顔が。そしてセキを「兄上」と呼ぶのでした。

セキにはルシアという妹がいます。
旅に出なくてはいけなかったセキは僧院のことをルシアに任せ、ルシアも優しく兄を送り出したのでした。
しかし僧院で一番強い霊力を持っていたルシアは封印されていたゲオルグに狙われ、その体を奪われてしまったと。
セキが村でゲオルグを逃したのも、一人で神殿に乗り込んでいったのも、全てはこのため。

アドヴァーン復活にはあと1人の生贄が必要なため、ゲオルグはセキを最後の生贄とすべく襲ってきます。
能力的にはセキの方が上回っているため、ゲオルグを倒す寸前までいきますが、
ゲオルグは卑怯にもその顔と声を妹のものに変えて躊躇を誘い、その隙を突いてセキを剣で貫きます。
セキにトドメを刺そうとするゲオルグですが、背後からラシェに斬られてしまうのでした。

ラシェはゲオルグの素顔を初めて見た時から何か引っかかるものがありましたが、
それがセキの妹だというのを思い出したのです。
セキに妹殺しをさせてはならないと思い、自らがその役目を引き受けたと。
ラシェは謝りますが、セキもその真意は分かっているので納得をします。
憑依というのは宿主を完全に殺してから行われるため、ルシアはすでに死んでいたのですから…。
ただそれが分かっていても、肉体はルシアの物なのでどうしても躊躇せざるを得なかったと。

殺したと思ったゲオルグですが、実はまだ生きています。
そして自らを最後の生贄として捧げることで、アドヴァーンを復活させてしまいます。
アドヴァーンを再び封印すべく、ラシェが食い止め、その間にセキとディアナは結界を張ります。
魂のみの存在となっていたルシアもこれを手伝い、見事にアドヴァーンを封印。全てが終わったのでした。

エピローグ。
心の深い傷を負ったセキは何も言わず、黙って一人で行ってしまいます。
ラシェとディアナは、また二人で旅を続けていくことにするのでした。
旅立ちの際に少年から自分たちの正体が三英雄ではないかと聞かれますが、
二人はそれには答えず、少年に手を振って去って行くのでした。



・感想
この単行本には「黒のシエスタ」と「赤のクルセード」という2作品が収録されている。
前者は読み切りで、後者は短期集中連載。

読み切りというのは大抵巻末に収録されているものだけど、
この本では冒頭に「黒のシエスタ」が掲載され、その後に「赤のクルセード」全5話が載っている。
これは、「黒のシエスタ」のラストからそのまま「赤のクルセード」の第1話へと話が繋がっているため。

描かれたのも「黒のシエスタ」の方が先。
これが掲載された翌月にはもう「赤のクルセード」が連載開始されたため、
事実上両方を合わせて1つの作品として形成されている。

タイトルに色が入っているので分かりやすいと思うけれど、
「黒のシエスタ」は黒の剣士ラシェ、「赤のクルセード」は赤の僧闘士セキをメインとしたストーリー。
となれば、残された白の魔導士ディアナは…。

内容としてはコテコテな中世ファンタジー。剣と魔法とモンスターの世界。
なのでこれといって特筆すべき点はないかなぁ。
[ 2012/10/25 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

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