てんにんご

てんにんご/久保聡美/全2巻

ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
物語の時代設定は戦国時代。
「鬼姫」の異名を持つ朱鷺(とき)という姫が主人公です。

朱鷺は百鬼(なりき)の国主である河音家の娘。
河音家は桃太郎の血筋を引いていると言われており、朱鷺も鬼退治をしていて鬼たちから恐れられています。
朱鷺には李太郎(りたろう)という弟がいますが、病弱なために国を継ぐことができず、跡継ぎには朱鷺が選ばれています。

そんな朱鷺にご執心なのが、隣国である九頭(くず)の国主である佐分利景綱(さぶりかげつな)。
何度も求婚をしていますが、その度に朱鷺は断っています。
その理由は自分が百鬼を継がねばならぬので嫁ぐわけにはいかないのと、景綱が本当に欲しいのは自分ではなく百鬼の国だということ。
景綱は次々と戦争をしては領土を奪って広げていく野心家なので、朱鷺は嫌っているというわけです。

そしていつものように朱鷺が大猿・小猿という2人の部下を引き連れて鬼退治へ出向いた時のこと。
景綱がついに動き出し、百鬼へと攻め入ってきます。
朱鷺を良く思っていなかった部下の謀反もあり、知らせを聞いた朱鷺が急いで戻ってきた時にはすでに城は落ちる寸前。

戦場で景綱を見つけた朱鷺はその首を取ろうと真正面から一直線に向かっていきますが、景綱の前に敗れ去り怪我をしてしまいます。
間一髪のところを部下の雉世(ちよ)に助けられた朱鷺はその場から脱出。しかしやがて城は景綱の前に落ちてしまうのでした。

怪我の治療をしながら雉世と一緒に山の中へその身を隠していた朱鷺は、そこで南斗(なみと)という謎の少年と出会います。
南斗は自分の名前以外何も覚えておらず、朱鷺たちは記憶喪失だと判断して保護することに。
しかし南斗の方は母親から姫(朱鷺)の側にいろと言われたらしいのですが…。

やがて百鬼城で別れた大猿・小猿とも合流をしますが、殿(朱鷺の父親)は討ち死にしたという報告を受けます。
李太郎は行方不明ですが、信頼できる家来数人が付いているとのこと。
しかし脱出の際に李太郎は大きな怪我を負ってしまったとのことで、予断を許さない状況にあります。

朱鷺が一人で行動していたところ、術師の操る山犬に襲われます。
術師は景綱を盲信しており、その障害となる朱鷺を殺そうというわけです。
山犬には朱鷺の攻撃が効かず、絶体絶命となったところを1人の侍に助けられます。
侍の名前は大助(だいすけ)。李太郎の家来であり、李太郎の病気を治すために伝説の白い鬼を探して2年前に旅立っていました。

百鬼が落ちたことを知らない大助に事情を話し、仲間に加えて一行は李太郎捜索を続けることに。
その最中に朱鷺は景綱の姿を発見。部下たちの静止を振り切り、我を忘れて切りかかっていきます。
しかし朱鷺は再び景綱の前に敗れ去って気絶させられてしまいますが、またも部下たちの助けによって事なきを得たのでした。

景綱の差し向けた追手から逃れながら捜索を続けていると、やがて李太郎と一緒に逃げていた家来と出会います。
彼の案内で朱鷺たちは李太郎のいる小屋へとやってきますが、そこにいたのは今にも死にそうな李太郎。
寝ずの看病を続ける朱鷺を気遣った南斗は、自分が代わるから休むように言い李太郎と2人きりになります。
目覚めた李太郎は南斗に自分はもう死ぬことを伝え、朱鷺を頼むと言い残しますが、
南斗は李太郎が死んだらみんなが悲しむからとダメだと言い、その手を握って不思議な力を発揮するのでした。

エピローグ。
李太郎はすっかり元気となり、外にも出れるように。
そして遊んでいる南斗を見て、李太郎は朱鷺に「南斗は天の使いかも知れませぬ。そう思いませんか姉上」と言うのでした。



・感想
時代設定としては戦国時代なんだけれど、鬼が普通に出てきたり正体不明な南斗の存在などもあって、
昔話的ファンタジーの様相も強い作品。主人公の先祖が桃太郎なんていう設定もあるしね。

ものすごく中途半端なところで連載が終了している。
南斗の正体など謎な部分も多く残っており、回収されていない伏線も多い。
個人的にこういう作品は好みで、今後どのように展開していくのか興味深かっただけに非常に惜しい作品だった。

主人公の朱鷺はとにかく強いという設定。その鬼のような強さで鬼たちにも恐れられていることから「鬼姫」と呼ばれるように。
景綱は百鬼を手に入れた後も朱鷺へも執着は変わらず、嫁にしようとしている。
部下たちからはいつ寝首を掻かれるか分からないと反対されるも、その方が毎日が退屈しないで面白いと聞く耳持たず。
2回目の朱鷺との戦いの時には「可愛い顔が台無しだぞ」などと言っていたりもする。

ちなみに佐分利景綱の「分」の字は、本当はにんべんに分で「份」だったり。
環境によっては表示できない可能性もあるので「分」で統一してみた。

単行本のみの要素では2巻の巻末に2ページのあとがき有り。
描き始めからぐちゃぐちゃで収拾付かなくなった的なことが書かれていたりする。
なのでゴールを設定してもらって、そこでようやくしっかり描くことができたとか。
まだまだお話の途中なので、いつか続きを描きたいとのことだったけど…結局描かれませんでしたな。
[ 2013/01/30 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

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