サリシオン

サリシオン/久保聡美/全6巻


ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
主人公はサリシオン=カレルという16歳の少年。
幼い頃に両親をバリザガという盗賊が率いる一味に殺されており、その仇を討つために旅をしています。

サリシオンは竜の血を引くドラゴール人。
ドラゴールはお姫様であるジネヴラ姫がザーザンドという大魔道士にさらわれてしまっており、
その救出のために姫の親友であった王宮騎士のカーラ=リシュカという女性が、
竜の血を濃く受け継いでいる戦士を探しています。

ドラゴール人の祖先は悪しき竜とされていて、その身体に流れる悪しき血に負けないように日々を過ごしています。
しかしザーザンドは竜の血を濃く受け継いでいたためにその血に負けてしまったというわけです。
ジネヴラ姫も同じように竜の血を濃く受け継いでいるため、ザーザンドに匹敵する強大な魔力の持ち主。

ある時に立ち寄った先でサリシオンはバリザガの手下と出会い、戦いを挑みます。
しかしバリザガはザーザンドの部下となっていて、皆恐ろしい力を与えられて化け物となっています。
サリシオンは未熟で弱いため、歯が立ちません。そこに助けに入ったのがカーラ。
これが2人の出会いとなります。

カーラはサリシオンが竜の血を濃く受け継いでいることを見抜き、ジネヴラ姫救出のために協力を頼んできます。
サリシオンはドラゴール人ですが、別の場所で生まれ育っていて一度もドラゴールへは行ったことがありません。
なのでドラゴール人が強く慕っているジネヴラ姫には何の感情も持っていませんが、
自らのためにその命を投げ出そうとしてくれたカーラには惹かれており、これを承諾するのでした。

サリシオンはバリザガと同時に、エクヴェドラという剣も探しています。
これは父親から受け継いだ剣でトマという人物に盗まれてしまいましたが、トマはカーラの知り合い。
トマと出会った後にいろいろありましたが、エクヴェドラは魔剣で凄まじい力を持っており、
サリシオンにはまだ扱いきれないことが分かったので、
結局使える日が来るまでエクヴェドラはトマに預けることにしたのでした。

何度かバリザガの手下を倒しながらドラゴールへ向かうサリシオンとカーラ。
やがてサリシオンの父親の親友だったリオ=ヤゲンという人物と出会い、
そこでカーラはサリシオンが産まれた時に背中に羽根が生えていたというのを聞きます。
竜の血を濃く受け継いでいる者は身体のどこかにそういった特徴があるとされているため、
これによってサリシオンがずっと探していた竜の戦士だということを確信したのでした。

ドラゴール城へとやってきたサリシオンとカーラ。
そこでカーラはサリシオンが竜の戦士だというのを発表し、ドラゴールは騒ぎに。
過剰な期待をかけられたサリシオンですが、そのあまりの弱さに段々と失望が広がっていくのでした。

元々ドラゴールに対する恩義は何もないサリシオンですが、「カーラのため」という一心だけで頑張ります。
そしてカーラが城を出ている間にバリザガが攻めてきて、サリシオンは立ち向かいますが全く相手になりません。
次々とドラゴールの兵士たちを倒していくバリザガを見て、サリシオンはみんなを助けたいと願います。
すると目の前にエクヴェドラが出現。サリシオンはそのエクヴェドラでバリザガに立ち向かうのでした。
そしてあと一歩まで追い詰めますが、逆にエクヴェドラを奪われてしまいピンチに。

そこへカーラが戻ってきてサリシオンを助け、バリザガと戦います。
しかしバリザガの強さは圧倒的であり、カーラはその身体に深々とエクヴェドラを突き立てられてしまうのでした。
それを見たサリシオンがカーラを助けたいと願うと、エクヴェドラは再びサリシオンの手に戻ってきます。
エクヴェドラでバリザガを倒す寸前まで行った時、ザーザンドが現れてカーラをさらっていってしまうのでした。

カーラを助けるためにザーザンドの本拠地へとやってきたサリシオン。
ザーザンドはサリシオンに執着しており、サリシオンがカーラを助けだして逃がしても気にしません。
やがてサリシオンはザーザンドによって悪しき竜の血を目覚めさせられてしまい、暴走。

ジネヴラ姫を救出したカーラはそのサリシオンを見て元に戻すべく近寄っていきますが、サリシオンにやられてしまいます。
自らの手でカーラを傷つけてしまったことから正気に戻るサリシオン。
これ以上自分のせいで人が死ぬのを見たくないと泣きじゃくるサリシオンに、
カーラは「あなたを残して死んだりしませんから」と言うのでした。

ザーザンドとの最終決戦に挑むサリシオン。
竜の血に目覚めたことで手に入れた圧倒的な力とエクヴェドラもあり、見事ザーザンドを倒します。
これで平和が訪れる…と思いきや、そこに一匹の巨大な竜が出現。
この竜の正体はバリザガ。エクヴェドラに秘められた悪しき竜の力を吸収し、自らが悪しき竜となったのでした。

サリシオンはカーラに「自分が死んだらエクヴェドラを頼む」と言い残して最後の戦いに向かおうとしますが、
カーラは「必ず戻ってきてください。待ってますから…」とサリシオンに言うのでした。



・感想
剣と魔法の王道ファンタジー。
久保聡美先生の作品は過去2作が昔の日本を題材にしたものだっただけに、真逆とも言える内容。

登場人物はかなり端折って書いた。もっとたくさんの人物が出てきてストーリーに深く関わってくる。
この辺は実際に読んで確認してみてもらいたいところ。細かい設定もいろいろあるし。
最後はバリザガとの決着まで描かれていないのが残念かな。
カーラと約束をしてバリザガの所へ向かうシーンで物語は終了している。

サリシオンは自覚していないけれど、明らかにカーラに対する恋愛感情を持っている。
中盤からはラストまでずっとカーラのためだけに行動しているような感じ。
カーラの方はサリシオンの自身に対する感情を理解している。そして同じようにサリシオンへと惹かれていく。
この2人の関係がこのサリシオンという作品の大きなポイント。

単行本のみの要素では、最終巻に後書きが1ページあります。
そこで書かれている内容を見ると、描きたいことはいっぱいあったけどあまり描けなかったようで。
結構中途半端な終わり方なので地味に打ち切りだったのかも…。
見方によってはあれでちゃんと完結してるというようにも取れるので微妙ですけどね。
[ 2013/02/03 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

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