魔神転生

魔神転生 THE TRUE REMEMBRANCE/上田信舟/全5巻


ガンガンファンタジーで連載されていた作品。



・内容
主人公は都築敦也(つづきあつや)という少年で、「NIEDER TOKYO D3地区(旧都心新宿)」に住んでいます。

90年代末、民族主義に端を発した戦いが世界中で発生します。
東京はミサイルの無差別爆撃によって都心部に莫大な被害を蒙ることとなり、
政府は都心部を放棄して旧八王子に中枢都市「NEO TOKYO」を建設。その発展に務めたのでした。

再開発計画から外され見捨てられた旧都心は「NIEDER TOKYO」と呼ばれ、日に日に荒廃が進んでいきます。
しかし今なおそこに暮らす人も少なくないのでした。

ある日、敦也が家へ帰ってくるとパソコンにメールが届いています。
そのメールには「地上と魔界が繋がったことにより、まもなく地上には悪魔が溢れ出す」との警告が書かれており、
それの対策として「悪魔召喚プログラム」というものが添付されていたのでした。

敦也は半信半疑でしたが、悪魔召喚プログラムを使ってみると3匹の仲魔が登録されています。オルトロスにピクシー2匹。
試しにオルトロスを召喚してみると、そこには実体化した1匹の獣が出現。これがオルトロスというわけです。
その時、家の1階から大きな音が聞こえてきます。駆けつけた敦也が見たのは、妹のミオをさらっていく1匹の翼竜なのでした。

翼竜を追いかけて外に出る敦也ですが、そこは悪魔が徘徊する世界となっています。
戦う力を持たない敦也はオルトロスに助けられ、一度家へと引き返すことに。
そこでオルトロスと新しく召喚した2匹のピクシーに妹を助け出すために協力してほしいとお願いをするのでした。

妹の手がかりを探していると、トトという悪魔に出会います。
トトに連れられていった先は邪教の館。ここで敦也は館の主人から二身合体のやり方を教わるのでした。
トトは子供をさらっているという翼竜の居場所も知っており、案内に従って向かった先でワイバーンと対決。
見事撃破しますが、そこに妹はいないのでした。

死ぬ直前のワイバーンから聞き出した情報を頼りにNEO TOKYOにやってきた敦也。
そこでエティエンヌというフランス政府の男性と出会います。
エティエンヌは敦也に練気の剣と呼ばれる剣を渡し、去っていくのでした。

妹が連れてこられたという佐田研究所へやってくる敦也。
そこでは地上で悪魔を実体化させるのに必要な生体MAG(マグネタイト)を人間から吸収する研究が行われています。
佐田は魔界の王であるサタンにその心を売り渡し、莫大な富と実験材料としての人間を与えられていたマッドサイエンティストだったのです。
敦也は佐田を倒してこの卑劣な研究をやめされますが、そこにもやはり妹はいないのでした。
佐田によると、子供たちの中でも特にお気に入りな子は魔界へ送り込まれとのこと。

その後、佐田の研究材料となっていた人間たちを助けていると、その中には1人の女の子が。
彼女の名前は「ミオ」。妹と同じ名前です。
ミオは名前以外の記憶を一切無くしていて、さらには魔法まで使うのでした。
普通の人間が魔法を使うというのはありえないので、彼女は他の人間から悪魔扱いをされます。
それを見かねた敦也は彼女を保護して一緒に行くことにしたのでした。

ミオを仲間にした敦也の前に再び現れるエティエンヌ。
人間に絶望していたエティエンヌでしたが、ミオを助ける敦也を見てその考えを改めたのでした。
エティエンヌの正体は熾天使ウリエル。敦也の下僕となることを決め、心強い仲魔がまた1人増えます。

魔界へと繋がっているイグドラシルを目指して武蔵樹海へとやってきた敦也たちは、そこで南一輝という自衛隊の一等陸佐を助けます。
南の正体は増長天。ウリエルのように人間として生活をしてその正体を隠していたのでした。
サタンを倒すという目的は共通しているため、南も下僕として敦也の仲魔に。

イグドラシルへやってくると、今まで仲魔として頼れる存在だったオルトロスが急に敦也へ襲いかかってきます。
戸惑う敦也ですが、オルトロスがミオを攻撃したのを見ると、吹っ切れてオルトロスを倒します。
オルトロスは今後は練気の剣に宿って敦也を支えていくことに決めていたため、わざとあのような行動を取ったというわけです。
そしてオルトロスの魂が宿った練気の剣は神剣草薙となるのでした。

いよいよ魔界へとやってきた敦也たち。そこにオルトロスの兄であるという魔獣ケルベロスが出現。
今後はオルトロスにかわって魔界を案内してくれるとのことで、仲魔になります。

魔界で激しい戦いを繰り広げていく敦也たちは、やがて魔王モロクがいるヒンノムの谷へとやってきます。
そこには妹の姿もあるのでした。
しかしモロクの強さは圧倒的で、あっという間に全滅直前まで追い込まれます。
そこで目覚める敦也の中に眠る力。神剣草薙はヒノカグツチとなり、敦也は無意識のうちにモロクを撃退するのでした。

ついに妹を助け出した敦也。
当初の目的は果たしたわけですが、旧都心新宿へ帰るため、または人類のためにサタンと戦うことを決めます。
邪教の館の主人に妹を預け、先へと進んでいくのでした。

次々と魔王を撃破していく敦也たち。やがて目の前に現れた1人の謎の男。その正体は堕天使ルシファー。
ルシファーはミオを操り、自らの部下としたうえで一緒に襲いかかってきます。
エティエンヌは敦也にミオを殺すよう言いますが、敦也は決断できません。
やがてミオにやられるエティエンヌと南。敦也はヒノカグツチの力を開放し、ミオとルシファーを倒します。

死んだと思われていたルシファーですが、今までの黒い羽根ではなく白い羽根となって再び出現。
同じく敦也によって殺されたと思っていたミオも復活。
敦也が切ったのは肉体ではなく、ミオを支配していたルシファーの力だったのです。

ルシファーは敦也の力を認め、ミオを開放してくれます。そしてここで明らかになるミオの正体。
ミオはルシファーが生体MAGから生み出した存在であり、敦也を支えるべく地上へ送り込まれたのでした。
過去の記憶を持たないのは記憶喪失だからではなく、本当に記憶そのものが存在しなかったと。
ルシファーはミオの親というわけですが、ミオの意思を尊重して今後は自由に生きるように言って去っていくのでした。

ちなみに「ミオ」という名前。これはルシファーが親心として残したものです。
彼女が心を開ける存在の人間と出会った時に、その心の中から名前を拾うようにインプットされていたと。
そうすることで相手にとって大切な存在となり、少しでも娘を護ることになるのではないかと。

いよいよサタンのいるパンデモニウムへとやってきた敦也たち。
悪魔たちの猛攻を退け、ついに敦也はサタンと遭遇します。
サタンの審判によって人間の悪の部分だけを見せつけられ、絶望する敦也ですが、
以前に出会った女神イザナミの言葉を思い出してサタンの甘い誘惑を断ち切ります。
そしてミオ、エティエンヌ、南の力を借りてついにサタンを倒すのでした。

全てが終わり、いよいよ地上へ帰還…と思ったその時でした。
サタンはまだ生きており、最後の力で敦也へ呪いをかけようとします。
それをいち早く察したミオは、敦也をかばって自らがその呪いを受けるのでした。

地上へ戻るゲートが開きますが、ミオはもう虫の息。
敦也はミオを抱きしめながらキスをして「二人で帰ろう…地上へ」と言いますが、
「ありがとう」と言い残してミオはその瞳を閉じるのでした。

エピローグ。
旧都心新宿へと戻ってきた敦也。ミオの亡骸とエティエンヌ、南、トトも一緒です。
ミオを死なせてしまったのは自分のミスだと悔いるエティエンヌ。
そして、目的は達成したが代償が大きすぎたと浮かばれない表情の南。

敦也は誰のせいでもないと2人を攻めることはなく、いつかまたこの場所で友として再会することを約束し、
2人は本来の自らの役割へと戻っていくのでした。
敦也はトトにもお礼を告げ、トトは「お前がジジイになったらまた笑いに来てやる」と憎まれ口を言い残して戻っていきます。

エティエンヌ、南、トト、それにミオのことは一生忘れないと誓い、役目を終えた悪魔召喚プログラムを削除する敦也。
やがて夜明けが訪れ、空を見上げる敦也。すると横で眠っていたミオの亡骸に異変が起きます。
ミオの身に着けていた石が光り出し、やがて破裂。するとミオは目を覚ますのでした。

日常に戻ってきた敦也は、妹に母親と3人で平和に暮らしています。
ある日の朝、妹が敦也に可愛いお客さんが来てると伝えに部屋へやってきます。
敦也が準備をしている間、待たせてはいけないと妹はそのお客と会話をします。
妹は自分の名前が「澪」であることを告げ、相手の名前を聞くとその女の人はこう言います。
「ミオっていうのよ」と。



・感想
SFCで発売されたSRPG「魔神転生」のコミカライズ。
過去にブログ内で語ったことがあるかもしれないけど、非常に好きなゲームだったりする。
2はそんなでもないんだけどね。

主人公(敦也)とヒロイン(ミオ)の設定は、原作とだいぶ異なる。
メインキャラだとエティエンヌと南は原作でも出てくるけど、トトに関しては完全オリジナル。
ストーリー設定は主人公周りの家族や交友関係を除けば、ほぼ原作ゲーム通りかな?
ゲームはマルチエンディング方式で3種類のエンディングが存在するんだけれど、
その中でもLIGHTと呼ばれるルートのエンディングを採用している。

単行本のみの要素では、1~5巻まで全て巻末に作者のあとがき有り。
この作品に関することや、あとメガテンに対する思いなんかも語っていたりする。
上田信舟先生はこの作品を担当する前からのメガテンファンだから嬉しかったろうなぁ。
このあたりに関しては100万本の徹夜ソフトという本を取り上げた時に軽く触れているので、興味がある人は。
もう3年半前の記事になるのか。

ちなみに3巻のあとがきによると、本来はこの巻で終了している予定だったとのこと。
好評だったので続行が決定したとか。
最終巻のあとがきでは、当初の予定だと2巻のはじめ頃に妹が死ぬ予定だったとも書かれている。
全3巻の予定が全5巻に伸びたことで、ストーリーもだいぶ変わったようです。

ゲームとこの漫画版は主人公とヒロインの設定や見た目が違うけれど、
3巻のあとがきでゲーム版の主人公とヒロインのイラストが描き下ろしであるので、見る価値ありかも。
[ 2013/03/26 ] エニックス漫画 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://farewall.blog123.fc2.com/tb.php/1215-bea9ccdf